久々の冒険者同士での闘いは、結果的に勝利を得たものの…
その実質を省みれば、不甲斐無いと言うべき内容だった。
それとも、この世界で冒険者同士の闘いを積極的に仕掛けている
リリエッタ達の動きが、見事だったと賞するべきなのだろうか。

　どちらにせよ、このグレイナードが感じたのは…そう敗北感だった。
否定の世界を抜け出て以来、もしかしたらオレは甘く温くなっていたのではないだろうか。
こんな様では、人斬りと呼ばれる者達に遭遇してしまえば、為す術も無いだろう。

　明日からは闘技会が開かれ、オレ達も参加することが決まっている。
良い機会だ。錆び付き鈍った、対冒険者戦の勘を取り戻そう。
勝つ為に。闘う為に。

軽く息を吐き組んだ腕を解く

皺を撫でながら軽く呟いた

そして話題が移り

手に仕込まれた画鋲を見て

あまり伝わってなかったようだ。

グレンの言葉を聞いて眉間に皺がよる

しばし言葉を飲み込んで考え込んだ後に、ルプスはグレンの言葉に応えた

にやりと笑ってグレンを見る

グレンの問いに軽く笑い返し

ひとしきり笑うと１つ咳払いをして、真剣な顔でグレンを見据えた。

グレンの言葉を聞いてヒルダはくつくつと喉を鳴らして身を震わせた。

更にヒルダは身を震わせ、身体をくるりと捻りその身を変化させた。
小さかったエンブリオの姿ではなく、人の女の特徴をもった獣の身体と大きな二対の翼が
大地に黒い影を落す。

そして獣だったその顔が、気づくとヒトの女のような風貌に変わっていた。

低く緩やかな口調は以前と変わらぬ様子だが、その瞳は閉じたままだ。

ヒルダの唇が微かに笑みを浮かべた。

そうして少女は憑き物が落ちた様に大人しくなったのだった。
少女がもう少し人の心の機微に聡ければ、青年の内心を慮る事もできただろう。
しかし、追い詰められた少女には、それを望むべくも無かった。

そう言って少女はぺこりと頭を下げた。

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何を言うかと思えば、“呼び方”だった。
先ほどは何処までも冷徹な面を見せて居た青年。
そんな彼がそんな事を気にするとは思えなかったから、少女は少しだけ笑うのだった。

少女は少し怒っている様だった。
それは先ほどの怒りとは、別種の感情だったけれど。

そう青年を横目で見つつも、少女の耳はぴこぴこと君の方を向いているのだった。