こんなにあっさり城内に入れるなんてね。
先行している部隊のおかげ？

何だか不気味な雰囲気のお城ですね・・・。中には兵士さんたちがいっぱいと思いましたら無人ですし。それにどう考えても目の前にいるのは悪魔さん混じってますよね！　サキュバスといえば色欲に乗じる悪魔、テオさんロウさんは特に気をつけてくださいね・・・？

ガーゴイルにゴーレムか。典型的な守護獣ね。
こんなものが自然発生するわけがないし、どこかに術者がいるんだろうけど。
でも淫魔たるサキュバスがいる理由が説明できない。
やっぱ普通の城じゃないみたいね。魔王城とまではいわないけど。

ま、あんな真似はそうそうしやしないって。

しようと思っても出来ないのが正しいかもしれないが。

ふむ……我が如何に偉大であれど、多層世界全ての言語を解するわけではない。
が、表情を見れば言わんとする事はわかるな。
少女が気にする事ではないぞ、かの問いはあの姿を見れば当然至極真っ当なものであり、悪いのは考えなしのマスターであるからしてな。

……な、謎めいたヤツの方が知り甲斐があるってコトにしときなよ、そこは。

それにまぁ確かに褒められたコトじゃないんだけど、私はしたいようにやってて大体間違ってないからいいんだよ。
……その子の翼もそのうちちょーっとだけ触ってみたいとか、そういう好奇心もあったりするしね？
剣に誓ったように、ロウもエルも害したりしない。有翼種は何度も見たけど、実際に触れた経験はないし。

……成る程、大きな心的ショックがあった場合に所謂失語症……みたいなコトが起きるケースは見聞きしたコトあるね。
しかし……閉じ込めてどーすんのさ……その時起きた“何か”から、エルって子ごと遮断なり隠匿なりしたかったのか。
どっちにせよロウの判断に私は賛成したいね。そんな場所に３年もとか、考えただけでぞっとする。
うちの故郷も……こう、堅苦しくて苦手なんだが、あんな場所に３年も居たら……間違いなく私は耐えられなくて色んなのぶっ壊して回るよ。

……マスターよ、話がずれていないか。それに常日頃より器物破壊は得意技ではないか。

……う、うるさいな、あれは好きで壊してるんじゃないよ、その辺りに壊れるもの置いとく方が悪いんだ。

“転送世界フェムトナーグ”……あらゆる世界に繋がっている世界、か。
……そういう場所なら多分名前だけでそっち方面のデータ探せば判るな。うちの故郷と似たよーなモンだから。
あとは距離さえ近ければ多分道は通じてそうだが——どっちかっていうとやっぱ、ちゃんとした方法とやらで観光にでも行く方がいいね。

……問題は観光目的で異世界行くとか上の連中が許してくれるかどーかだが。

我の言い方が悪かったなればそこは謝罪しようぞ。
少年に感情が無いとは思っておらぬよ。我の言葉に言うなれば少々不快な思いなり、誤解を解きたいなり悲しみなり……そういったものを感じたからが故のその言葉であろうからの。

この際ずばりはっきり言ってしまえば、な。
少年の纏う“気の流れ”……我らからいえば“マナ”と呼ばれる生命の根源であり魔力の源、世界を形成する要素のようなものだが。
少年のそれは一般的な“ヒト”とは少々異なる。

が、何度かマスターも口にした通り……我らはそういう者を“嫌という程知っている”のだ。
——故に、おそらくマスターの望んでいるのは、少年が“その者達とは似て異なる”事であろうとも、我は思っているよ。
だからこそ……マスターは己の手札を明かしても信頼が欲しかったのであろう。
少年達に、１歩踏み込んでみるために、な。
望む変化への道標となれば……そう、無意識に考えていたのやもしれぬ。

“機人”——……。

……なぁ、ロウ。
なんで、変わる必要があるんだ？

お前が救いたいのは、他の誰でもない、エルだけなんだろ？
ならむしろ、誰彼かまわず助けちまう……助けたくなっちまう俺みたいになっちゃァ、ダメだろーよ。

　　エル
救いたいコがいて、
　　恩返し
救いたい理由が在る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　存在意義を賭けて
ならあとはもうよそ見なんてしてねェで、全力で、全身全霊で救ってやるだけだろっ！

お前はお前で、俺は俺なんだ。
変わろうとする気持ちは大事だけど、お前はもう、お前自身が欲しいものを持ってるように見えるぜ？

……けど、

だーかーらー、お前がやんなきゃいけねーことは変わることじゃなくて、
まず彼女とハナシをすることだって、俺は思うぜ。

俺はホラ？誰かさんに『他人を救う者が、他人に救いを求めるなんて本末転倒』とか言われちまったし？
あっはっはっはっはっはっ！！

ま、ジョーダン抜きで困ってねーからよっ。お金以外はナ。
お前はお前が救いたいヒトを、救ってなっ。

逃げることもまた選択ではあるからな。
但し『逃げるが勝ち』なんて事には大抵の場合ならないが…。

言葉を失う…か。
随分と衝撃的なコトがあったらしいな。

勝てるかどうか、最初から分かっているなら誰しも苦労はしない。

ああ、その点は問題無い。
オレの雇い主は、他世界に比較的自由に渡る術を持っているからな。

勿論この世界にも、別の世界からソイツに連れられて来たのさ。

これを合成の材料に、かい？
——ああ、いいよ。これも互いのためになるはずさ。

口の悪いお年寄りとは感心できないね。
キツイお灸を据えて差し上げよう。

……ガーゴイル。あれって、動けるんだ……。
飾りだって思ってたけど、番人みたいなものだったのか。

言葉が届かぬというのならば、届けるまで・・・です！

けだものが相手・・・。駆除して早く先へ進む。

っやぁー！ようやく役目を果たせるぜぇーッ！！

あらこんばんわ、遊んでく？

ふむ、やってやるか。

あらこんばんわ、遊んでく？

侵入者を発見。排除しまス。

侵入者を発見。排除しまス。

ふう…勝てたようだね。大した損害もなく何よりだ。

障害、排除完了。エル、怪我はない？

みなさん、お怪我はありませんか？　治癒致します！

無駄な労力、無駄な命、そして無駄な勇気・・・蛮勇。

エル、行くよ。

先は長いですしどんどん進んでしまいましょう。ゴールはまだまだ遠いです。

時間の無駄、とっとと進む。

どうだい、これは。行商の足しになると思うかい？

……これ、何？

何かに使えそうですね。ひ、ひろいぐいなどはしたないことはしませんよ！？

これ・・・何だろ。

おや、そちらにもシスター、ですか。
手に持つものはなにやら物騒なようだが…。
とはいえ、せっかくの機会だ。一試合頼もう。

……、ぼくの仲間と思ったけど、違うかな……。

まあ、いいや。
攻城戦に活かせる、良い経験ができる事を期待してる。
お互いに手加減なしでいいよね。

言葉が届かぬというのならば、届けるまで・・・です！

何か面白いものを見せてくれるの？

よろしくお願いしますー。

ふふー、いいわ、相手したげるよ！

よ・・・よろしくお願いします・・・。

よろしくお願いしますー。

負けませんヨ。覚悟してくださイ！