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タンポポ荘、らすぬこの部屋。


居住スペースの半分をずっとロリカの作業スペースに割いていたが
今はその作業も終わり部屋には人形が一つ置かれているだけである。

人形と言ってもその大きさは人間と同じぐらいはあり、少なくともロリカ、らすぬこよりは大きいであろう。
その極めて繊細な作り込みは一見すると本当に誰かが腰掛けていると錯覚してしまうほどである。


パジャマパーティーとやらが催されていたからだろう。
部屋にはだれもおらず、部屋の中は静寂に包まれていた。


キシッ・・・。


キシッ・・・・・・。



静寂の中で何かが軋むような音がする。



キシ・・キ、ギギギ・・・・・。


その音もすぐに収まり、再び無音の闇が訪れる。


黒く長い髪、ピンと動きだす猫のような耳、男性とも女性ともとれるような整った顔立ちのその人形は



静かに、ゆっくりと目を開ける。





静寂の中、カタリコトリと彼の刻が再び動き出す。

踵を返しカウンターの奥に引っ込んでいってしまう。
見送る気はないらしい。

若干憐憫の雰囲気が漂ったが、概ね愉快そうに。

ううむ、と唸った。

　爆発しそうなくらい顔真っ赤である。

　なんだかちょっと嬉しかった。

悪びれる事無くそう告げた。