一揆軍に参加してから初めて出会った石がある。

タクア＝ライト。
合成技術の発達により、たくあんから生成される石の一種だ。
うっすらと黄色みを帯びていて色はシトリンを彷彿とさせるが、
内部に繊維状のニードルが見られ、ルチルクォーツも思い出す。

珍しいことにこの石は香りを纏っていて、
どこか懐かしさを感じる香りがする。
ネックレスやアンクレットに使用すれば、
香水代わりの働きを見せるかもしれない。

それでいて一揆軍内部での流通量は多く、
割りと安価な値段で取引されている。

俺もあちこち旅して色んな商品を見てきたつもりだったが、
やっぱりまだまだこの世界は広い。
この先また新たな材料に出会えるかも知れないのは楽しみだ。








（タクア＝ライト原案：mop：ありがとうございました）

沈んだ面持ちを何とか上げ、スィナンの提案を聞く。

返事にはまだ迷いと自信のなさが混ざっているようだ。

フォークを置いて、紅茶に手をのばす
あんなに並んでいたケーキも気がつけば半数くらいが消えていて
空いた皿を片付けにきた店員は目を丸くしていたかもしれない

飲み干したカップに、次の紅茶を注ぎ

スィナンの呆れる溜息に、愛想笑いで誤魔化した。

人間の欲？衣・食・住以外の欲望？お金なのかな？
…商人スィナンの金銭感覚と温室みかん御子のたつきとはずいぶんの差があった。