私はサラマンダー。エンブリオである。名前はない。（宿主からは「まんだ」などと呼ばれているが了承した覚えはない。）
かつては実体があったはずだが、いつのことだったか初めて契約した時からその契約者を宿主とする精神体のような存在と成りはてている。
その最初の契約から、譲渡という形で今の宿主と契約している。


ちょっと前から、もう一人、というべきか。エンブリオが増えた。
いつの間に契約したのは、私にはようとして知れないが、所謂「デビル」という種なのだそうだ。

PLの都合上とか進行辛いとかを言っていたが何を言っているのか分からない。

今の宿主は、あまり私のことを頼りになるとは思っていないらしい。
その原因は宿主にもあると私は思う。力を引き出せないのは本人のせいであり、私に原因はないと思うのだ。
しかし改善される気はしないので、そろそろ分からせてあげなければ私の立場もない。
いずれ私の大切さがその身に刻まれることだろう。

ムキになるコルリの姿を見るや、ほんのり口元が緩む。

返す刀で名前を問われれば、僅かに思案して。

それから狐瑠璃に示された赤い花を見て、ああ、と瞳を瞬かせ。

それをこの少女に聞いても詮無い話である。

捕食できる陸上生物なのか、むしろ鳥を獲って食う側の陸上生物なのか…
見極めているところなのかもしれない。