〜ただの日記〜

ー○月△日ー

ここのところ昔話ばかりしていたので日記がおろそかになってしまっていた。
というわけでここ最近の近況をざっと記していこうと思う。

・トラックで山に登った。

・幸星が仇となり死にそうになる。

・ベルが術で頑張っていた。

・俺は壁になっていた。攻撃を喰らいまくる。






・幸星が仇となり死にそうになる。



こんなところか。


しかし、この幸星とかいう守護者はいったいなんなのだ。
守護どころかダメージが増えてるばかりで全く護ってもらえない。どういうことだ。

まったく、少し仕事をしないだけでみんな彼のことを悪く言いすぎだ。
適材適所。
この四字熟語を知らないのか？










俺は彼のことを信用し続けるよ。









そういえば。この旅の途中でタイガーが新しい銃を積み込んでいた。
だんだん武装トラックみたいになっている。
免許取りにいくときこのトラックでいったらあまりの凶悪な装備に捕まる可能性があるな。









免許を取りにいくときは、この銃ははずさないとな。







俺はひとりうんうんとうなずいた。









危険なリスクは極力排除していく。
そういうスマートな生き方を選択していくのが俺のやり方だ。
皆も見習うといいと思う。













ー同日ー

答えが出ようはずもないそれを、追求しても仕方ないとばかり片付ける。
エンブリオの力、と、その言葉に、ベルを見て。

などと、なんてこともないようにさらりと言ってのけた。


魔、と。
トートが呼び示した奥底は、僅か、波紋のように揺らめきを見せた。

赤い瞳が見返す。

瞼を伏せる。

狂ってしまっているんだ。
無意識にか胸元に指を添えて、そう零した。

金の竜は、背に乗った二人がしっかりとしがみついたことを確認した後、その身をゆっくりと起こす。
腰の翼を大きく開けば羽ばたいた。


一度、二度。
風を巻き起こすようにして大気を打つ翼は、その巨躯をフワリと虚空に運ぶ。


独特の上昇と浮遊の感覚を背のニンゲンとエンブリオに伝えつつ。
竜の身は空へと舞い上がった。
ゆったりと円を描くように遮る物のない空を飛行しながら、背中側へと声を投げる。

空を飛んだことの無いものからすれば未知の感覚を得ている真っ最中だろう。
恐怖を感じているようならば、大地に戻してやらねば。
そんな心配とともに。

　大変そうだなあ、って顔して見てた。ある意味、面白そうだけれど。

　それから、優しいとさらりと言われて。

　少し戸惑ったように、気恥ずかしそうにそう返した。

　ぶっ壊されたのなら、沈没するのでは。
　心配そうにそう問うた。

　真面目な表情でそう言った。

　

　何だかそわそわしている。

　己の生命力、と聞けばエンブリオが直ぐに出てくるのだけれど、彼の元居た世界には居ないのだろうし。
　不思議そうに、そう問うた。

どこか寂しげな声で、ゆっくりとうなずいた。