あの時の公演が上手くいったかどうか、二人とも覚えていない。
いちばん思い出に残ったのは間違いなかったのだが。
それからも劇団はあちこち旅をして、様々な演目を行ってみせた。
その間にマリーとエゼルレッドは結婚し、息子のエリックが生まれた。
ロイド一家は劇団の中で、劇とともに暮らしていた。
幼かったエリックも、何度か舞台に上がった。
将来は父のような役者になるかと期待されていた。

その数年後。
世界的な経済ショックに巻き込まれ、劇団は廃業してしまった。
団員たちは離散し、団長や経営関係者の行方は今も知れない。
仕方なく一家は故郷であるアルビオン島へ戻り、
スエトニア村にあるマリーの実家で農家として生活することになった。
マリーの母、ガーネットは三人に冷たく当たった。
羊族の中でも特にひ弱なエゼルレッドは力仕事が出来なくて、
ガーネットや村人に散々馬鹿にされた。
おまけに、出身のロイド家というのは全く素性が知れなかった。
だが、元俳優という珍しい経歴のためか、少しずつ好かれていった。
マリーはというと、劇に賭けていた情熱と共に普段の生活も燃え尽きていき、
畑仕事の後は飲んだり食ったりを繰り返していった。
彼女は2人目の息子であるエメリーが生まれるまで、死んでしまおうかと
本気で考えていた。

潰れた(´・ω・｀)

懐でじたばたじたばた脇腹でもぞもぞもぞもぞ