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探索21日目 基本行動の宣言を確認しました。 「生産行動」の宣言を確認しました。 「遺跡外行動」の宣言を確認しました。 |
Diary |
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漫画や小説などでは長物相手に剣使いが奮闘するが、あのようなことは現実的には不可能である。間合いに踏み込もうとした瞬間、串刺しか滅多打ちにされるのが関の山だ。 よって、たかが剣使い如きに己が間合いを犯されることなど有り得なかった。相手の間合いに踏み込む、という手段さえ跳ね除けるのがそもそも神崎の武術である。言うなれば「馬鹿正直に入り込もうとする者を殺す」武術でもある。 それに白兵主体の異能者が勝てるか? 勝算はあるか? いいや微塵もないだろう。 原田の間合いを一とするなら、神崎の鎖は五であり、こと銃に関しては十である。不意打ちでもしなければ到底話にならない差だ。 ここまで話して納得できない者がなおいるというのなら、極端な話、機関銃相手に真正面から竹槍で突っ込むと考えればいい。原田がやろうとしていることはまさにそれなのだ。 これを無謀や蛮勇と言わずして何と言う? しかし、ここまで勝利が決定的であるにも関わらず神崎には疑問と不安が残っていた。敵が己が武術を超えるほどの、狂気的異能者の場合だ。 圧倒的力には技術や経験は通用しない。無比の力に対抗するなら、業を持ちえる必要がある。だが神崎の武術はまだ技術の範囲を脱せず、業とは到底呼べない代物であった。 もしも相手が業を用いなければ勝てない相手だとしたら、さて、どうしたらいいだろう。 模索してみる。自問してみる。勝算を再度、確認する。 では、問題。敵はよほど訓練を積んだ異能者だろうか。 否、それは絶対にありえなかった。 一流の「ひとでなし」は総じて頭のキレる者だ。 確かに「ひとでなし」の常識では、一般的には身体強化系の異能者は、単純思考の者が多数を占めているとされている。 これは間違いではない。彼らの多くは複雑な思考回路を失うという代償を乗り越えて、強靭な肉体を得ていることが多いためだ。何せそれが手っ取り早く、一番楽な異能の発展方法だからである。 だがその代償の支払い方ではいつか限界が来る。複雑思考を捨てる程度の楽な代償では、買える異能は高が知れている。そして賢い異能者は別の代償を選び、更に異能を飛躍させる。 眼前の少年はどうか。神崎の観察眼によれば、典型的な代償の支払い方をしている異能者のように見えた。 外見からして素行は粗野で暴力的。発言内容も以前敵対した身体強化系異能者に酷似している。言うなればテンプレート過ぎるのだ、この原田という「ひとでなし」は。 ともなれば、答えはひとつである。 かような者がこのような犯罪をしでかすわけもなし。 よって敵は、あまり脅威度の高い存在ではない。 恐らくヤミに鳴れて日が浅いか、真性の阿呆のどちらかだろう。仲間の援護かあったからこそ、生き残れた可能性も否定できなかったが、そんなことは考えてみればどうでもいいことだった。 殺す。 突っ込んでくる原田に、神崎は神速の反応を見せた。 手首が翻り、原田の顔面目掛けて銀鎖が放たれる。原田は若干驚いたように呻いたが、首を傾けて鎖の軌道上から頭を逸らす。回避に成功し、獰猛に微笑む剣士。 何から何まで予想していた通りだった。 ここまで自分の思うとおりにことが運ぶと、逆に罠ではないかと思ってしまうくらいだった。 神崎の手首が、また翻る。途端、銀鎖の先端部分の軌道が変化、原田の頭部を中心にとぐろを巻いた。鎖は頭、首に蛇の胴部のように絡みつき、勝ちを確信していた剣士の表情を瞬時に凍りつかせた。 力を抜いていた腕に活力を与え、神崎は鎖を一気に引っ張った。 原田を転倒させるためだ。転ばせさえしてしまえば、もうこっちのものだ。 突如のことに慌てふためき、そのまま転倒し悶絶する原田。 「うがぁっ」 計算開始。式は脳内で事前構成しておいた、五番と六番と七番と八番と九番を使用。 「ニュートンの悪戯」に定義された法則式通り、詠唱の大幅な縮小を選択。 消費マナの総量、十倍に一時修正。 目的、鎖が頭部に与える圧力の増加。 「一」 たった一言。その詠唱が終わると同時、原田の頭部に巻きついた鎖が引き締まった。その力たるや、人間の頭部が耐え切れるものではい。 象の体重に等しい圧力が人間の頭部に四方からかかれば、その答えは単純なことである。 鎖たちが身を寄せ合い、清涼な声音をあげた。何やら液体が飛び、夜気に鉄の臭いが混じる。 それと同じくして、原田の全身から力が抜けた。手から剣が落ち、首から下の身体がイモリのしっぽのようにびくびくと痙攣していた。 神崎は腕を振い、締め上げていた原田の頭部を開放した。ついでにもう一度腕を振い、鎖についた血を払い落とす。 これが大抵の「ひとでなし」の末路である。 特に力に酔った馬鹿は、遅かれ早かれこうなる運命だ。 現実は安っぽい物語の歯車のように、巧く回ってはくれない。どこかで邪魔が入り、崇高な夢も、エゴに塗れた野望も阻止される。それがこの世界の常であった。 神崎は溜息をついてから、鎖を再び右腕に絡める。 詠唱の短縮をすると流石に魔力の浪費は激しい。今夜はもう、魔術を使うのはよしたほうがよさそうだ。体内に残る魔力の量も十全なものとは言い難い。 それに、魔術は使えば使うほど、己の理性を奪い取っていく。消費するのはマナだの魔力だの、そんな生易しいものだけではない。人間としての持つべき尊厳をこの魔術とやらは静かに持ち去っていくのだ。 魔術は万能ではない。 魔術は等価交換でさえない。 たくさんのものを失って扱えるその魔術という概念に、いったいどれほどの価値があるというのか。 答えは明白だ。価値はない。 こんな馬鹿げたものを学問だの神秘だのと扱っている連中は全員、真性の異常者である。 狂っている。どうして多くの魔術師は、その狂気に気づけないのだろう。 三ヶ月ほど師事してくれた魔術師もそうだった。自分があれほど魔術の危険性を述べても「それで?」と一笑の服した。 袂を分けたのは数日後。彼から学ぶことはもうなく、魔術を極めんとするために罪を犯した師はこの手で殺めた。 そしてきっと。間違いなく。神崎暁はこの狂気に気づいた己に酔いしれているのだ。自分はまだ理性的であると、現実に戻れるだけの適応性が残っていると、自分自身を騙しているのだ。 それこそが本当の狂気であるのに。自分が特別であると思い込むことが、狂を育む種なのに。 人を殺して何が正気か。相手を蔑んで何が正気か。 おまえはもう正気を失っているのだぞ。思い出してでも見ろ、「魔術を使える人間なんてこの世のどこにもいない」のだぞ。 「ひとでなし」が何たるかを本当に理解しているのか。それでなお力を振るうおまえは、既に手遅れな異常者なのだぞ。 神崎は頭を振った。 駄目だ。こんなことばかりを考えていては。 やはり脳を強化したせいか、放っておくと凄まじい速度で思考がうねってしまう。異能の副作用に苦しむのはそろそろ自分の番か。戦闘後は鎮静剤でも飲むようにしたほうがよさそうだ。 ふと、何処からか電子音が聞こえてきた。神崎のポケットからである。 神崎は携帯電話を取り出すと、周囲を窺いながら通話ボタンを押して耳に押し当てた。 相手はわかっている。 「大したことのねぇ奴だったな。俺がいなくてもよかったんじゃね」 「念には念を、化け物には更なる化け物を、って言うだろ。それに、おまえが遠くから見ているってことがわかっているからオレも心置きなく戦えるんだ」 あの状況で神崎が負けなかった一番の理由がこれだ。遠方からの狙撃手の存在である。 沢渡は魔弾の使い手であり、最大千メートルまでの精密狙撃を可能としている。一撃の威力は精々大型拳銃程度のものだが、頭部を打ち抜いてしまえばそんなものは関係ない。 頭部とは思考し、空想する器官。空想の力を振るう自分たち「ひとでなし」はここを破壊されれば絶対に死ぬ。優れた回復能力を持っていたとしても、力を空想できなければ意味がないのだ。 剣士は戦う前から既に詰みの状態だった、というわけなのである。 「言ってくれるね。報酬はいつも通り、五対五でいいのか」 「約束したからな、破るつもりはない」 「まぁ俺は楽して稼げたからいいけど。ほんじゃ、また明日学校で。おやすみさん」 「ああ、またな」 それで電話は終わりである。こうしたやり取りも慣れきったことだった。 だが神崎にはまだ仕事が残っている。足元に転がっている、馬鹿の死体の始末だった。処理屋を呼んで、死体を魔術師に横流しすれば、処理代金を取られても手元にお釣りが転がってくるだろう。 猟奇的な事件が多発し、世間が安穏から徐々に離れつつあるとはいえ、この日本は法治国家である。一発の弾丸を手に入れるのも大変であるし、販売人は儲け優先で盛大にふっかけてくる。 人を殺して得た汚い金ではあるが、明日を生き抜くためには綺麗も汚いもない。手に入れられるものは手に入れておくに越したことはなかった。 再び通話ボタンを押して、番号を入力する。 通話音が鳴っている短い間に、神崎は死体を見下ろして思った。 オレもいつか、こうなるんだろう。 気が狂ってしまい、誰かの銃弾や白刃に倒れるんだろう。 だがそうなるのはあの魔女を殺してからだ。 時間はかかった。人間性もだいぶ失った。だがもはや準備は整いつつあった。 待っていろ、姫川琴子。「秘密」を手にしたのは、おまえだけじゃない。 いつか必ず奈落に堕としてやる。 あとがき 以上、ミイラ取りがミイラになる話で御座いました。 最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。 いったいどれだけの数の人が読んでくれていたかはわかりません。十中八九、限りなく零に等しいか、零なのではないかと思っています。 今時、文章など誰も読みませぬ。素人のものであれば尚更。偽島という環境においても、無粋な文字より美しい絵画のほうが華になるでしょう。 絵はいいものです。美しさをたった一視で伝え、人を惹きつけることができますから。 できるならば絵心のひとつ手にしたかったものですが、生憎とて某、生来拙い文字を綴ることしかできませぬ。 それはもう絵は酷いものでして。人を描けば棒人間、華を描けば食虫植物、女子を描けば化生の者となり、犬を描けば猫となる始末であります。 故に文字において刹那の楽しみを提供したかった次第。さて、我が試みは貴方の胸に届いたでしょうか? それではまた。どこかで会うことがありましたら、何卒宜しく御願いします。 裏川狐。
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Message |
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メッセージはありません。
以下のキャラクターにメッセージを送りました。
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Main |
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クガツ(120)からの生産行動を許可しました。
スラッシュ に技回数を 6 振り分けました!
現在の体調は 絶好調♪
【第25回更新からの闘技大会参加メンバー】 闘 技 大 会 に参加中です!
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訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 1 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 2 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 3 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 4 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 5 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 6 ) 訓練により 付加 のLVが 1 上昇しました!(生産CP - 7 ) 訓練により 体格 が 29 上昇しました!(能力CP - 36 )
簡単な保存食 を買いました。(- 40 PS)
クガツ(120)に、 魔法石の欠片 から 鈍色の腕輪 という 装飾 を作製してもらいました。(- 169 PS)
レイシ(1347)に、 おにく50 を料理してもらい、 葡萄色の薄荷飴 を受け取りました。 B1F G-16 魔法陣〔白い砂浜〕 に移動しました!
F-16 に移動しました!
【合言葉&場所チェック】
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声が聞こえる・・・ |
ジン(1433)の声が届いた: ジン「ひっそりとSTG講座開催中」
かなた(1650)の声が届いた:
ルンキア(1750)の声が届いた:
ウェルくん(12)の声が届いた:
ガイ(37)の声が届いた:
ティノーシェル(51)の声が届いた:
みどら(205)の声が届いた:
シャラザ(349)の声が届いた:
恭平(698)の声が届いた:
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「きゃ〜わいぃ〜!きゃあわぃいぃ―――ッ!!」 「だ、だぁめですぅー!ご主人様やめてくださいぃ!」 広い草原の中から声が聞こえる。 近づいてみると、歩行雑草を全力で抱きしめる男と、それを全力で食い止める少女がいた。 「なんで歩行雑草なんですかぁ!?そんな可愛くないの抱きしめないでくださいぃッ!!」 「ならばお前も抱きしめるッ!」 「いいぃぃやあぁぁーッ!!」 叫び声がこだまする。 「・・・む?」 男がやっとこちらに気づいた。 「な、なんだなんだ!ひとの憩いの場を傍観するとは破廉恥極まりない行為だぞ!?」 男は立ち上がり、自分の眉間に親指を強く押しつける。 「・・・礼儀知らずな奴め。このサバスが矯正してくれる・・・」 「ぇ?え!?えーッ!?わ、私は関係ないですからねーッ!!」 サバスが襲いかかってきた! (この戦闘に勝利できなかった場合、戦闘終了時にF-16に強制移動)
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Next Battle |
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B1F F-18 / 砂地
イベント戦が発生!
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Data (第20回 第22回) |
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ENo.647 マリア・シュアード |
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ENo.1347 水瀬 禮嗣 |
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[PL] 裏川狐 |
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