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探索77日目 基本行動の宣言を確認しました。 |
Diary |
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呆けているうちに例の男に与えられた水着から元の姿に戻っていた。 浜辺には同じように流され着いた人々が多くいて、大半が秋人と同じように流れてきた方角をぼんやりと見ていた。 その瞬間も秋人はいつも通りに仕込みをしていた。しかし、いつもと違って外の様子がずいぶんと騒がしいことが気になり表へ出た瞬間、人だかりの真ん中に居ると気づいた。 見知らぬ場所に居ることに戸惑いを覚えたが、近くの高台から男の声がして、秋人は目を丸くした。 男に見覚えがあった。 それは遺跡内から寄せられた情報によるものではなく、【賢者の書】のデータにある最初期の記録のものだった。 『島』におけるリトルグレイ殲滅戦の後にあの男の姿があったという。記録者は後にベイルート・アルザ・カシュオスと名乗る青年。 秋人からすれば、五千年以上前の記録。この島において時間の流れの差異はざらにあると理解していたが、当時の中核的人物を目の当たりにしたことはあまりにも唐突だった。 流されてきた海を眺めながら、その後のことをぼんやりと思い出した。 何かの力で水着に着替えさせられ、その後で波にさらわれて島から追い出されたのだった。 水着と共に与えられた浮き輪に身を任せ、大量に飲み込んだ海水を吐きながら生きながらえたことを実感した。 第一波以後の海は驚くほど静かで、しかし北へ北へとどんどん流されていった。 そして、余波のひとつも残さず、島は海底へと沈み、姿を消した。 音もなく沈んでいく島を見ながら、濃密で重苦しい絶望感に心が侵されていくのを感じた。 あの時、シャオロンはお使いに出ていて、シキはテーブルのセッティングをしていて、アウラは店の裏方で別な仕込をしていて……。 その島には、秋人の店『黒猫飯店』があった。 それは、先祖から預かった土地に建てられ、かつては装飾作製師の先祖の店があった。 そして、森の奥地に先祖の墓があった。 幼少のころから絵本の変わりに【賢者の書】を母に見せてもらい、何度も何度も笑ったり泣いたりした。 賢者の子ハルアと自分が瓜二つだったこともあり、遥か昔の出来事が目の前で繰り広げられた出来事はとても身近なものとして受け入れていた。 我が子を抱きしめる母と、顔を赤くして暴れる息子。 黒猫を丸洗いする二人の姉と、それを見守る二人の弟。 一心不乱に短剣の柄に装飾を施す幼い賢者と、それを見守る片目を閉じた少女。 それら全てが、目の前で消えてゆく。 決して手の届かない海底の牢獄へ沈むへ。 どうしようもない虚無感に力をなくし、浮き輪を手放す。一面が水と光の世界に変わり、水面が遠ざかっていく。 浜辺に座り込み、自然とため息を吐く。 抜けるような青空が逆に虚しく見える。 思い出した出来事が憂鬱な気分を加速させた。 そういえばどうして助かったのだろうか。一度沈んだのだから、ここまで流されたと考えるのは都合が良すぎる。溺死しても不思議はないはずだ。 「まったく面倒なことになったものだ」 振り返ると、仏頂面でシキが浴衣の裾を絞っていた。正規の招待客でなければ水着はもらえないのかと文句を垂れている。 「ありがとう……助かったよ」 力なく笑うのが精一杯だった。 「シャオロンに礼を言うのだな。私の力ではお前の位置を探ることはできない」 襟を正し、腰に黒刀を差す。 黒い塊が胸元から飛び出し、四足で歩きだした。 「みゃー」 座り込む秋人の元へ歩み寄り、目を細めて頬を寄せる。 「はは、ありがとう。でも、どうやったの?} 「いきなりのあの津波だ。お前を見失い、私も流石に狼狽えた。しかしシャオロンは迷わず真っ直ぐ水中を走っていたのだ。霊体という姿は便利なものだな」 「そっか、なるほどね」 秋人の膝の上で黒猫が丸くなる。 「賢者殿は先ほど奥地へと進んで行った。この大陸の様子を見てくる、とのことだ」 強い人だな、と秋人は思った。 海底に沈んだ先祖の墓と土地はアウラにとっては実の両親のものなのに。 膝の上で眠る黒い猫をそっと撫でる。 シャオロンも歴代の賢者達と共にずっとあの島で過ごしていた一員だった。 生物としては生まれて間もないシキだが、彼女は賢者の書の記録を記憶として持っている。 いつもの無表情より神妙な面持ちでシキが秋人の隣に座る。 「多くを失ったのだな、私達は」 「うん……」 不自然なほどに静かな波が足元まで寄せては返す。 静かな波の音だけがあたりを包む。 言葉はなく、ただただ思い出の地があった方角を見つめる。 何か言うべきかと迷ったが、何を言っていいのか分からなかった。 それでいいのだとも思う。思いは同じなのだから。 「はぁ」 ややわざとらしくシキがため息を吐いた。 言うであろう事が分かるので、秋人はくすりと笑う。 「腹が減ったな。何か探してこよう。料理人に食材を届けるのが飯店での私の役目だ」 シキが静かに立ち上がり、秋人はシャオロンを抱えてそれにならう。 「じゃあ、頑張って料理しないとね。でも包丁の一本もないから、大物はシキが捌いてよね」 「お前は刀を何だと思っている」 「カジキマグロとかは刀みたいな包丁で捌くんだよ?」 「みゃー」 「マグロで目を覚ますかお前は」 「みゃー」 「美味しいもんね。この辺で獲れるのかなぁ」 「さてな。集落があれば訪ねるとしよう」 「みゃー」 二人と一匹は見知らぬ大陸を進み始めた。 〜Fin〜
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Message |
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ヒスカ(493)からのメッセージ: ヒスカ「あ、秋人さんだ!秋人さんも無事だったんだ!よかったよかった。猫さんもご無事?」
ヒスカ「ええと、凄くお世話になりました!秋人さんが作る料理、とっても美味しかったです!」
ヒスカ「もし、またどこかで機会があったら・・・というか、秋人さんがまた御店を開いたらきっと食べに行きますから!」
オリフィ(758)からのメッセージ:
オリフィ「お店がなくなってしまっても、アキトさんの功績は皆さんの記憶にずっと残ると思います。 あまり気を落とさずに、頑張ってください。 私は少し海で過ごしたら、お屋敷の方に戻ります。」
オリフィ「お世話になりました。あ、オリフお姉様を見つけたら、ご連絡下さいますか?途中で逸れてしまいました。
以下のキャラクターにメッセージを送りました。
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レンタル宣言 |
コミュニティメッセージはコミュニティページで確認できます。 |
リスゲオン+ |
コミュニティメッセージはコミュニティページで確認できます。 |
Main |
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技回数の振り分けが確認されませんでした、てきとーに振り分けます。 萌えろ に技回数を 9 振り分けました! チャーム に技回数を 9 振り分けました! サモン・フェアリー に技回数を 4 振り分けました!
現在の体調は いい感じ! |
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ウェルくん(33)から 5000 PS 受け取りました。 ウェルくん「お代ですー。最終更新ですがお受け取りください。」
【合言葉&場所チェック】
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声が聞こえる・・・ |
遺跡外では様々な声が飛び交っています! |
「・・・・・・というわけでこの話はこれで終わりだッ!!
次作は9月中に公開予定だそうだから この場所はそれまでは残しておいてやる、ありがたく思うんだなッ! 宣言画面もすみかも普通に使える状態だ。
次作の情報はトップページにぼちぼち現れるらしい。 どうせ奴の気まぐれで頻度はアテにならねぇがな。
・・・さて、伝えることは伝えた。お前の夢の中にでも戻るとしよう。 ハハハッ!!しばらくは良い夢ばかりだなァおいぃッ!!」
「いやぁ実に長かったなぁ諸君。予定より1.5倍も長くなってしまった。 とりあえずお疲れ様といったところか。
そして長丁場へのお付き合い、とてもとても感謝している。 次の世界はこれほど長くならぬようにするつもりだが、 どうせ奴の気まぐれだ、アテにはならないかもしれんな。」
「そんなわけで次作も時間あったら参加しちゃえばいいと思うよーっ!! 時間あったらだからねー?そこおねーさんとの約束だぁっ!!
最後まで参加してくれてほんとありがとぉーっ!!」
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Data (第77回 第79回) |
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ENo.1454 塚原 秋人 |
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* 単独行動中 * |
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[PL] 黒猫 |
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