ENo.1118 エシャロット=グレイス

エピソード１５　３年Ｈ組！エシャロット先生！

エシャロット「トトちゃんに文字を教えるですの！」

トト「ええっ！？」

ひびな「ず、ずいぶんととうとつだな…」

あらすじもなしにいきなり言われたその言葉に、ひびなとトトは思わずビクッとした。

エシャロット「トトちゃん〜、文字読めないのは致命的ですの〜、あたしがじっくりたっぷり教えてあげるですの〜♪」

トト「あ、あうぅ…」

タチの悪い酔っぱらいが絡んでくるように、トトを抱きしめてすりすりとしてくる。

ひびな「まぁ、そのねんれいで、もじもよめないというのは、さすがになさけなすぎるとはおもうな」

エシャロット「全部ひらがなで喋るひびなちゃんも説得力ないですの〜」

ひびな「ち、ちがう！ひびなはちゃんともじはよめるぞ！これはあるじのめいれいだ！あるじが…」

ひびな「あるじが…かわいいっていってくれるから、えへへっ」

エシャロット「うわーお、さすがのめすいぬですの…」

トト「いいなぁ…」

エシャロット「えっ」

トト「あ、いえ！？」

エシャロット「トトちゃんも雌犬になりたいんですの〜〜！！？」

トト「ちがいますーー！！？」

・・・

そんな感じで唐突に始まったエシャロットの国語教室。
とはいえ、あのエシャロットである。最初から、嫌な予感しかしない。

エシャロット「それじゃー、トトちゃんにはし〜っかり読み書き教えてあげるですの〜♪文字が読めればいっぱい便利ですの〜♪」

トト「は、はい…！」

唐突とはいえ、トトは意外とやる気であった。
臆病な性格をしていることは今までの付き合いでわかっている。
それは意外な一面だと感じられていた。

エシャロット「ところで〜」

ひびな「…なんだ？」

エシャロット「なんでひびなちゃんもいるんですの？」

ひびな「…おまえがトトにへんなことばをおしえないかみはるためだ…」

エシャロット「お、オ・ノーレ！」

ひびな「そういうはんのうをするということはやっぱりやるきだったの！！？」

エシャロット「んも〜、信用ないですの〜…そんなことないはずないですの〜♪」

ひびな「そうか…って、ないのか！！？あるんじゃなくて、ないのか！！？」

エシャロット「おっと、つい本音が」

授業しろよ。

・・・

エシャロット「さぁさぁ、トトちゃんはまったく文字が読めないんですの？まずはひらがなとカタカナを覚えていくですの〜♪」

トト「は、はい！」

ひびな「ようやくはじまったか…。」

エシャロット「これが〜、あー、これがー、いー」

トト「あ…あー、いー、うー…」

エシャロット「うはっ…こ、これ…トトちゃん…」

トト「は、はい？」

エシャロット「かわいいですの〜〜〜〜〜〜！！！！（がばぁっ」

トト「ひっ！！？」

ひびな「なにをするきだーーーー！！！？」

急いで止めに入るひびな、一刻も目を話せない…。
まるでひびなが保護者のようであった…。

・・・

トト「ら、り、る、れ、ろ！」

エシャロット「うんうん、ひらがなは完璧ですの！トトちゃん意外と物覚えいいですの〜♪」

ひびな「それくらいすぐにおぼえてとうぜんだ、だがみなおしたぞ」

ひびなからもお褒めの言葉をもらう、トトは喜ばずにはいられなかった。

ひびな「（さいしょはどうなることかとおもったが、あんがいちゃんとおしえているな、いらぬしんぱいだったか）」

エシャロット「それじゃトトちゃん、次はカタカナを教えるですの、これを覚えたら本格的な文字をいっぱい教えるですの〜♪」

・・・

数時間後…

トト「ドーモ、エシャロット＝サン」

エシャロット「完璧ですの！！カタカナはこれでおっけーですのー！！ユウジョウ！！」

トト「ユ、ユウジョウ！」

ひびな「…あたまいたくなってきた」

アイエエエエエ！！？ナンデ！？メスイヌナンデ！？
まともに教えていたかと思えば、急におかしい語源を使い出した。
少しでも信用した自分がバカだったとひびなは頭痛を起こすのであった。

エシャロット「それじゃー、次はいよいよ漢字を教えていくですの〜♪これが読めれば一人前ですの〜♪」

トト「がんばります…！」

ひびな「（いやなよかんしかしないが…ここは、しんじてみるか…）」

エシャロット「まずはこれですの！」

雌犬

トト「えっと、これは…？」

エシャロット「めすいぬですの♪」

トト「ええっ！！？」

エシャロット「トトちゃん〜、この漢字は「めすいぬ」って呼ぶですの、さぁ読むですの、復唱〜♪復唱〜♪め・す・い・ぬ♪」

トト「あ、あうぅ・・・」

ひびな「しにたいらしいな」

…期待は一瞬にして裏切られるのであった、ひびなはゆっくりと剣を抜いた。

エシャロット「じょ、ジョーク！ジョーク、じょ、ここはジョークアベニューデース！！」

ひびな「もんどうむようだーーーー！！！！」

パコーーーン！！

エシャロット「あーーーーん！！」

剣で刺してくると思いきや、鞘で思いっきり殴ってきた。
どうやらひびななりに、殺傷能力の低いツッコミを覚えたようだ…。

エシャロット「ん、んふふふふ…嬉しいですのひびなちゃん…鞘でツッコミとは新しいですの…！」

ひびな「もうやだこのどえむ！」

…それからも、エシャロットの授業はひどいものであった。
漢字の授業になったから、予想通りの本領発揮であった。

百合

エシャロット「これはー「ゆり」という漢字ですの〜♪」

トト「ゆ、ゆりー」

ひびな「……（ま、まぁはなのなまえだろうきっと、というかただのはなであってくれ）」

栗

エシャロット「でー、これはー『くり』」

トト「くり。」

栗鼠

エシャロット「これはー『りす』」

トト「りすー」

エシャロット「ふたつあわせてー！」

トト「くりとり…」

ひびな「やめろォ！！」

…このように酷い漢字の教え方ばかりをする始末であった…。
まともな漢字を教えだしたのは、ひびなにたんこぶを４つほど頭に作られてからなのであった…。
そして、漢字というものはすごく膨大な数が存在する。
エシャロットの色々と不安になる授業は、また後日に続くのであった…。

おまけ

エシャロット「トトちゃんー、これを読むですの！」

愛国心

トト「ら、らりるれろ！」

エシャロット「せいかーーーい！！」

ひびな「なんかちがうぞ！！？」