妙な時間に起きてしまった。 カーテンの外に広がる空は、薄暗いとも薄明るいとも表現でき、情緒も趣も何もなく、ただただ曖昧だ。 聞き慣れてきた波の音ばかりがいつもの朝と変わらず、かえってそれが気味悪く思えてしまう。

「、、寝飽きた。」

独り言の声が枯れている。 ここ2日ばかりは咳ばかりを通していた喉だからしょうがないと、いつもより体温の高い手のひらで、自分の喉を撫で甘やかしてみる。 風邪をひいたのは久し振りだった。1人静かに養生するのは、ひょっとしたら初めてだったかもしれない。 あと1日だけ休もう。 そう考えたところで、雑種の子どもは苦笑する。 あと1日だけもなにも、今は休暇じゃないか。 ずっと寄越せと上司に言ってきた休暇じゃないか。 いつまで続くのかわからないほどの、長い長い休暇じゃないか。 そこまで考えが出てみて、自分があれだけ欲しがっていた休暇にもう飽きてしまっているのに気づく。 どうしてこうも自分は、スケジュール帳が白いことが苦手なんだろうか。

「苦手じゃなくて、怖いんだろうが。」

寝返りした拍子に、ふいにそんな考えが口にこぼれた。 背骨あたりが考えでもしたような言葉だというのに、ひどくしっくりくる。 ああ、参った。 雑種の子どもが風邪でなければ、脳みそだって何を言ってしまったんだかと戯言失言だとみなしただろう。 しかし、熱に弱った脳みそは、突拍子もない、いや普段なら突拍子もないと判断してしまえるだろうその言葉を深く深く考えてしまった。 スケジュール帳が白いということは、予定が無いということだ。 予定が無いということは、何をしても問題ないということだ。 何をしても問題ないということは、自由だということだ。 自由だということは、1人でいても問題ないということだ。 1人でいても問題ないということは、それは、誰からも必要とされていないということだ。

「必要とされないのはやだなぁ。」

そう言って、雑種の子どもは頭にあった熱を水滴に溶かして、目からひとつふたつ、みっつとこぼす。

だって、知ってる。'覚えてる'。

必要とされたから生まれてきたんだ。 必要とされているから生きてきたんだ。 あの人が、僕を必要とした。 でも、今も必要としているのだろうか。 あの人は、僕みたいに風邪やなんかで寝込む体じゃない。好きに使える時間だっていっぱいある。 手紙でしかやり取りのできないほど遠い世界に僕を送ったのだってあの人だ。 なのに、なんで。 雑種の子どもはベッドの中でひとり、元の世界の唯一無二の存在から手紙の返事の来ないことを悲しみ、唯一無二たる彼女にとって自分が不用物となる事を恐れた。 ・ ・ ・

「てがみ、」

もう1通書いて送れば、返事、来たりしないだろうか。 サイドテーブルの上には、広げたままのレターセットがある。 長く書かなくていい。そうだ、少しだけでいいんだ。あの人も、ここに送り出す前は、できるだけ頻繁に書いて送れって、言ってたじゃないか。ああ！そもそもあの人のことだから、配達物の確認をさぼって、僕の手紙を見落としてるのかもしれない。 雑種の子どもは、半ばストーカーじみた言い訳を自分にしながらベッドから身を起こし、ペンを取った。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 拝啓 樅の木曳きの候、上司サマは変わりなくお過ごしでしょうか。 僕は、変わりなく過ごせていて、いくつか嬉しいこともありました。 まずひとつは、食べたことのないお菓子を食べれたことです。せんべいとかいうやつで、前に書いた知人のうちのひとりにいただきました。食べる前に調べたら、米でできたクラッカーと書いてありました。が、食べてみたらクラッカーとは違う味に食感でした。特に食感は、オノマトペにするなら、かりっさくっというより、ばりっがりっといったところで、音まで美味しいようなお菓子でした。 何かお礼がしたいのですが、どういうものがいいのでしょうかね。 あとはそうそう、上司サマの他にも、手紙を送る相手ができました。送り返してもらえるかもしれないと思うと、見知らぬ人と文をやり取りする緊張も打ち消されてしまうくらいには楽しみです。 手紙、文通というものの楽しみも、少しはわかるようになりました。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 一気にそこまで書き上げて、最後の最後でペンが止まる。 '返信お待ちしています' 前の手紙で書けなかった一文を、今度こそ書き入れるべきなのだろう。 それでも雑種の子どもは、その言葉を書けなかった。 もう意地も張ってない。返信を心待ちにする自分に気づいている。 だけど、だからこそ、そんな言葉を書いた手紙に返信が来なかったら。 そう考えると、どうしても書けなかった。

ペジカはアイテムNo.7 海ブドウ を使用した。

器用が3上がった！

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ペジカは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたペジカは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

ペジカは周辺を探索…………。

シェルボックス（低）を手に入れた！

ペジカはSSシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカはTGシェルボックス(低)を購入した。

ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは器用を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練した。
ペジカは器用を訓練した。
ペジカは敏捷を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

目的の決定