研究記録３ カールフェイス：錬金術人形についての記録。 人間のカタチを練成る事をはじめた頃より、わたしが知るまでに造られている錬金術人形は１７体。 うちNoⅠからNoⅢまでは、カールフェイス自信のクローニング。全く同じ自身を精製しているが、その中身──人格・精神といったものは精製していない。 肉体だけの、魂のない器。 研究の初手として、手探りの練成が故にという事だろうか。──結果として、それらの器は最もカールフェイスの転生体として優れているという事になる。 転生。──正しくは、波動共鳴。 ＂類するもの＂へ転じ、重なり、上書きする。鏡写しの錬金術。 カールフェイスがわたしや、マリアネッタでも試していた手法。ただし、それはわたしたちでは安定しなかった。 確認できる中で、それら初期ロット以外に唯一波動共鳴が安定していたのは、Co.Doll NoXⅣ。──個体名：キャロルにおける場合。 どうやらNoXⅣはカールフェイスにとっては特別な人形のようだった。 その理由、詳細については、賢者の意志には記されていないが……。 かの人形自体のスペックが特段高いというわけでは無い。しかしNoXⅣに、なにかこだわっていた理由があるのは確かなのだ。 「ヒシビシ」に彼女をあてがったのも、カールフェイスにとっては重要な実験だったらしい。 しかし、どうにもこれに関連する情報のみ曖昧で不鮮明だ。フィルターが掛けられているというか。 恐らくこれはカールフェイスによるものだろう。閲覧妨害を行うくらいなら、根本的にNoXⅣに関する記述全てを削除すれば良いだろうに。 興味はあるがーーこれについては、いずれNoXⅣ本体を分析べなければ結論は出ないだろう。保留とする。 カールフェイスの研究・実験の結果として連なっているC.Doll達において、NoⅣ以降はまた違った手法となる。 NoⅣ　個体名：タマノネ NoⅤ　個体名：ユズリハ NoⅥ　個体名：アラハバキ これらは、生きた人間。あるいは死んだ人間を素体とした錬金術人形となる。 NoⅣは死に掛けていた『生きている』素体。 NoⅤは死してから経過した時間の浅い『新鮮な』死体。 NoⅥは──死して後、白骨と化した『古い』死体。 共通しているのは死の前後と、時間経過。 残っている結果からすれば、タマノネについては成功。ユズリハは条件付きのため保留。──アラハバキは失敗とされている。 条件付きについては、精神構造に欠陥が見られた。大きく生前とは掛け離れた思考を行うようになった。 失敗については──そもそも人格・精神が練成されなかった。骨だけの死体から生前の外見を再現するところまでは、出来たようだが。 成功例:タマノネは全外装が錬成体、錬金術人形に置き換わった事以外は、元となんら遜色は無いようだ。 ……元となった人間のデータは無し。何らかの理由で抹消されている。 この個体…いや、この人間は、見方によれば死の淵をカールフェイスに救われた、とも言えるだろう。 その恩義の為か、現在も何らかの形でカールフェイスの支援を行っているようだが、詳細は不明。 現在も行方を眩ましたままのカールフェイスは、あるいはこのNoⅣの元にいるのかもしれない。 *  *  *  *  * （研究記録の閲覧は、今日はこのくらいにしておこうかしら……） テリメイン。穏やかな海《セルリアン》 探索行の合間に、閲覧していた研究記録を一度シャットダウンする。 わたしの後ろには、旅の仲間がふたつ。 小さな毛玉と、ガラスのゴーレム。わたしが見つけたふたつの御友達は、現状は特に何か文句を言うような事もなく、探索行についてきてくれている。 メェとしか鳴かず、言葉が通じている様子の無い毛玉羊。 特殊な信号。念波のようなもので喋り、その内容が支離滅裂なゴーレム。 かわいいお友達。道中の研究材料として、暫くは事欠かなそうであるのは喜ばしい事だった。 すこしばかりの観察から得られた情報としてはーーさしあたりこれらとの間に必要となるのは、信頼関係だと思われる。 毛玉羊はよくわからないが、なにやらグラスゴーレムに懐いているのであろう様子は見て取れる。しかし肝心のグラスゴーレムは人間に対してそれなりの警戒心を持っている様子だった。 幾度か、あの腹内ーーいや、瓶底のと言った方が正確だろうか？兎に角あの錬成物質を奪おうとする輩に遭遇した事があるのかもしれない。全く、出逢う人間須くが、彼女(おそらく形状から雌のゴーレムだと推測する)の研究材料としての価値を理解せず、金銭にのみ執着するような輩であったのならば、警戒心を抱くようになるのも道理というものだ。 どうせ、乱暴に割って取り出そうとでもしたのだろう。 それで錬成物そのものが価値を失う可能性もあるというのに。 「ガラス容器に詰めてある」事で成立する錬成術に心当たりは無いが、だからと言って無いと言い切るのは早計だ。何故なら「大気に触れない」事で性質が安定する物質は多数あるのだから。それだけでも可能性としては考慮すべきだろう。ーーそれなら尚更、割れやすいガラスでなくても良さそうなものだが。 しかして、その疑問は出逢って2日目の今日、隙を見て触れた際にひとつが晴れ、ひとつが深まる事となった。 それというのは、彼女の腹部ーーガラスの容器の部分に、一定時間触れる事に成功したからだ。 相変わらず警戒はしていたが、わたしのような華奢で可憐な少女が、武器ひとつ持たずに素手から触れたところで差し障りはなかろうと判断したのだろう。 分析の錬金術士。それがわたしの二つ名だ。 かつては、本の世界に居た頃は、未熟なわたしは分析対象の体液、あるいは破片を必要としていた。 しかし！非効率的なその機能を是正すべく、自身の各部に改造、改良を重ね、今や掌で数十秒ほど触れることができれば、接触対象の分析が出来るようになったのだ！ とはいえ、もちろん。 この方法では彼女の中にある錬成物に触れたわけではないから、肝心なソレについてはわからず終いだ。 わかったのは、ソレを保護するゴーレム体…そのガラスについて。 これは、どうやらただのガラスでは無い。 通常、ガラスの強度は低い。 構造式の問題というか、分子結合の問題というか。特に衝撃に弱く、ちょっとした事で「割れる」。そんな事は、オークやゴブリンの子供でも知っている事だ。常識の範疇だと言えるだろう。 そこで、ひとつ工夫を加えたモノに「強化ガラス」というものがある。 これは、そのまま単体では耐久性に劣るガラスの表面に、薄く膜状に違った性質の物質(これは多くはガラスの性質を生かすために透明である)をコーティングする手法だ。 こうする事で外部からのダメージの大部分をコーティング膜が請け負い、ガラスの脆弱な部分へのダメージがカットされる。即ち、多少の衝撃が加わったとしてもヒビひとつすら入らない、強固なガラスが完成するというわけだ。 このグラスゴーレムは、つまり「それ」だ。 通常の技術、わたしの識る数種の強化コーティングとは全く違う手法だがーー分析値の中で明らかに、耐久性に関わる部分──硬度、耐摩耗性、疲労限度などが高い。どうやったらこんな子供が遊びで考えそうな強度数値を実現出来たのだろうか。あくまで分析だけに特化したわたしには、その錬成論までは予測は出来ないが。 これを造った錬金術士は、どうやら随分と優秀な人物だったと見える。カールフェイスが居たなら、あるいはその研究成果に興味を示しただろうか……。 こんなものを割るのは、普通の手法では無理だ。 かつて彼女を破壊しようと試みたものが居たとして、悉く傷ひとつ付かないガラスのボディの前になす術無く諦めたのだろう。 ……それでか。警戒心を抱く割に、あっさりと触れる事を許したのは。 高をくくっているのだろう。「どうにかできるわけも無かろう」と。 とはいえ、敵意や悪意を向けられるのは曲がりなりにも人格を与えられているこのゴーレムとしては不愉快極まる……という所だろう。 ひとつ晴れた疑問はそれ。貴重な錬成物を保管するのに、ガラスでも問題が無い理解はこれで明白だ。 ただし深まった疑問も同様にひとつ。 それだけの技術を持つ錬金術士が、ガラス以外で同様か、それ以上の強度を持つ容器のゴーレムを精製できない筈がない。 つまり、理由が確かにあるのだ。ガラスで無くてはならない理由が。ガラスをわざわざ選んだ理由が。 ガラスをこんな強度数値まで高め練った、狂人めいた執念の理由が。 その理由はきっと、間違いなく、この中身に関係するものである筈だが……？ (なかなか手古摺りそう……くすくす。研究のやり甲斐もあるというものですわね)

セッテはアイテムNo.8 シェルボックス（低） を使用した。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

セッテは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。

穏やかな潮の流れに、時に身を任せ、時に原生生物を相手にし、
確実にテリメインの探索へ進んでいたセッテは、
前方に大きな泡に包まれたドーム状の建物を発見した。
近くの岩に、建物の名前が彫られているのを確認できるかもしれない。

	テリメイン最先端探索拠点

……どうやらここが、海底探索協会の最先端拠点らしい。
これよりドームから先は、いよいよ未知なる海域が待っているのだろう。

誰も見たことのない財宝。
誰も発見したことのない未知なる生物、海底遺跡。
己の力をつけるため、願いを叶えるため……。

様々な目的を胸に秘め、各地から集まった探索者たちは旅立っていく。

テリメイン最先端探索拠点は、そんな夢を秘めた冒険者たちに、
最先端のスキルストーンやチューンジェムを揃えて販売している。

この拠点より先は、海底探索者協会の目が届かない海域だ。
【海賊】と呼ばれる者たちに襲われる危険性もあるかもしれない。

未知なる海域へ足を踏み入れる前に、ここで十分に準備をしてもいいだろう。

セッテは周辺を探索…………。

酢の物を手に入れた！

セッテはリングを購入した。

セッテはSSシェルボックス(低)を購入した。

セッテはSSシェルボックス(低)を購入した。

セッテはSSシェルボックス(低)を購入した。

セッテはSSシェルボックス(低)を購入した。

セッテは魔力を訓練した。
セッテは魔力を訓練した。
セッテは精神を訓練した。
セッテは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。
セッテは精神を訓練しようとしたが、EXPが足りなかった。

水中用賢者の石+1 に 魔導力強化 を実行！
水中用賢者の石+1 の 魔導攻撃力 を 1回強化した。

サマーアルケミスト に 魔導力強化 を実行！
サマーアルケミスト の 魔導攻撃力 を 4回強化した。
装備名を サマーアルケミスト+1 に変更！

酢の物 に 強化 を実行しようとしたが、装備ではなかった。

セッテはアイテムNo.11 マジックアローを私有化！

目的の決定