夏だ！海だ！バカンスだーーーッッ！！！！

テリメイン中に響いたのではないかというほどの大きな声。

その場にいた者が声がした方を振り向く。そこにいたのは——

	右翼
	「いいおっぱいだッ！！！」

ハルに仕える翼、興奮気味に青に光る右翼であったッッッ！！！！

	左翼
	「……戦闘以外で騒がしいうーちゃんだなんて希少ですね」

	ハル
	「う、うるさかった……」

	右翼
	「おっぱいを見て！静かにしていられるか！？いられないだろ！！見てみろあのセクシーな水着！それに包まれた大きな胸！これを見てッ！黙っていられるやつがいるかッ？！」

	ハル
	「あの、ねえさーくん……。うーちゃんって、こんなに、喋れる…の……？怖い……」

	左翼
	「どうやらそうみたいですねぇ。あの目つき、まるで戦闘している時のようですよ。……そっとしておきましょう。煩いですけど」

右翼に気付かれぬよう、こそこそと耳打ちで会話をする二人。当の右翼はそれに気付くどころか、バカンス美女に夢中で気にしていない様子だ。

	右翼
	「ああたまらねえ！！たまらねえ！！！」

——この日の空は、肌をジリジリと焼くような暑さの太陽が顔を出し、絶好のバカンス日和であった。

	穏やかな海《セルリアン》

穏やかな波、暖かい水温。太陽の光を透かし、キラキラと輝く水中に、
光とともに舞うように鮮やかな熱帯魚達が珊瑚礁に集まる海域。

この世界の窓口である探索者協会からも程近いこの場所は、
色々なところから集まってきたバカンス目的の観光客や、
これから冒険に挑もうとするものたちで賑わっている。

比較的凶暴な生物もいない、穏やかな、冬でも温暖の海である。

遺跡探索

ハルは、この世界の探索者としての一歩を踏み出した。
海底に沈む遺跡の探索——。

誰もがこの海の、この遺跡から冒険の一ページを刻み始める。
とはいえこの辺りはまだまだスタートライン。

もっとこの世界に眠る、謎や宝や未知の生物を目にしたいと願うなら、
このセルリアンの遺跡を抜け、さらなる海域を目指すといいだろう。

海はまだまだ遠く、広がっている。