なんか持ち物がきらきらしい。
水晶だらけだ。

…っていうか、椅子やら食器やら、なんなんだ、ほんとこれ墓荒らしじゃねぇか。

前はリッチから腕輪とりあげたりしてたし、どう見ても俺たちが悪人にしか見えないんだけどなんだろう。
まぁ反乱軍なんて最終的に勝たなきゃ賊軍なわけだから、今のところただの犯罪者集団なんだけどさ…。

物資に困ってるのは確かだろうけど、客観的に見るといたたまれない。

…それにしたって、いくら進軍とはいえ見知らぬお嬢さんの部屋に踏み込むとか、どう見たってただの不審者じゃねぇか。

普通に通報されるわ。


【side：リマ】

やっと4桁が見えてきた。

が、これなぁ…ほんとなぁ…うーん…。
毎回悩むよなぁ…。
なんだかんだ、ついてきてくれた連中だからなぁ…。


【side：ナユ】

リストラ候補を決めるたびに頭を抱えてるリマさんがいます。

そうですよねぇ…。
今の子たちお気に入りですもんねぇ…。

僕？　僕のリストラはあり得ないですからなにも心配ないんですけど、
統括するのは僕なのでできれば強いお共が欲しいなと思ってます。
強いエンブリオ従えてるアニマってかっこよいじゃないですか！

可愛いって言われたいけどかっこよくいたい男心もあるのです。


僕の分身の力を解約するときもリマさんかなり悩んだのです。
でも、さすがにあのままではどうにもならないと思ったので、
「じゃあ僕がトップに立ちますからそれでいいです」
って言ったのです。

リマさんは僕がなんでそんなことを言い出したのか未だに気づいてないみたいですけど。
盲目的に仕えてるわけじゃないんですよぉ？　お人好しさん。

だから、お別れにもふもふもふもふもふもふもふもふしてても許してさしあげますし、
その後しばらく落ち込んでたって見ない振りしてあげます。

　　　　　　　黒水晶を砕いて粉状にし、膠で長細い布に張り付けていく

　　　　　　　　　　天を見上げて死んだ、最初の人間。