※聞こえるのはペンギンの鳴き声ですが、脳内には人間の言葉がとどきます。

両手で抱きしめようとしていた相手が頬に鼻を寄せて舌を出してくれば、肩をすくめて、仕方がない子、とばかりに眉尻を下げながらもまた笑い。——どうしようもなく犬好き、らしい。どんな仕草でも可愛いと目尻が下がってしまう。

だから、そんな可愛くて仕方のない生き物が自らの手から飛び降りれば落としてしまった！と一瞬慌てて。…ちゃんと着地するのを見れば、今度は抱くのを嫌がられてしまったと、それはそれで軽く凹んだ。眉尻が、露骨に下に下がる。

挙句、自分から離れて何処かへと行ってしまえば、その姿を追いかける事も出来ず…。
相手の言っている意味など、わからない。ただ、吼えているようにしか見えない為に、逃げられちゃった、嫌われちゃった、と軽くしょげていた。幸い、その場から立ち去る事はなかった、が。

何が悪かったんだろうと反省している最中、再び白い獣が現れれば、あれ？と首を捻り。
自分の傍に置かれた首輪に、それはそれでまた首を捻る羽目になった。とりあえずは手に取るけれど、……犬、自ら首輪を好んで付ける、など。あまり聞いたこともないし見た事もないものだから。

そう、言えば。首輪の金具部分を外し、相手の首元へと。
当然、やっぱり、意図なんて伝わっているわけもなく。鼻歌まじりの、何ともお気楽な態度だった。

人間が好きという事を聞き、ほっとした顔を浮かべる

彼のほっぺをツンツンと突っついてそう答えた。

髪を描き分け彼女の甘い香りが充満していく

両手に持っていた二刀を背中のバックパックに収め、肩から力を抜く

そう言うとエンブリオを見せました。キラーインコです。