【モック・フレンズマニー】

手帳が変に凸凹になった。辞めておけばよかった。

昨日、私は観念することにした。
彼にとっては死の宣告にも等しかろう事実を告げた、
その時のモックの表情は窺い知ることができなかった。

一番大切な人と別れてから、もう8年余りになる。
また人を助けられないかも知れないというのに、私の心はどこか麻痺したままだ。
年月というものはこれ程までに初志を風化させ、人を冷血にするのか。
モックが人ではないからそう思える？それもまたしっくりこない。

私はそもそもモックを仲間として見ているのだろうか？
仮に見ていたとして、ではそう言い切ろうとして胸がつかえたようになるのは何故なのか。
モックを人間として迎え入れてやろう、認めてやろうという気持ちそのものが、
彼を殺戮機械として見ざるを得ない自分への罪悪感からくるものだと、
きっとそのことにまた罪悪感を覚えて、どうしていいか分からないのか。

思考が堂々巡りになる、悪い癖が出始めた。そういう時期なのだ。
今が大事な時なのだから、これから向かう場所でしばらく頭を冷やしたい。
地下牢はいい。落ち着く。少なくとも、植物がいいように遊ばれているこの庭園よりは。