今日はね、グノウとメープルお姉ちゃんが一度引き返してた地下牢の奥に進むんだ。
大分前にアレジアお姉さんに止められたんだけど今は何も言ってこない。
それは近くにグノウがいるからだからかもしれないけれど。

「ねえ、グノウ、この先だよね、前に言ってた強いのがいるのって。

でもね、きっと今の僕らなら強くなってるし勝てるんじゃないかな。

それに今だったらね、何だって倒せる気がするんだよ、だからどんどん進もうね！」



そう言うとグノウはまた馬鹿にしたような笑いを向けてこっちに色々注意してくるんだと思った。
だけど、「気をつけて下さい」って。


「ねえ、ポプリ……グノウはどうしたのかな？」

『わからないけド……ほら、従者でも緊張してるのかもしれないシ』

「……そっか、きっとそうだよね。」

（もしかして言わないほうがいいのかな、と思い始めた様子である）

しれっと、そう言い放つ。それから自分のエンブリオを見やる

迦楼羅の、子供なりの純粋な言葉なのだろうけど
気恥ずかしそうにして、くしゃりと彼女は髪を撫でる。

片手で顔を隠しながら小さくつぶやく。
先程やった行為を思い返し、羞恥に塗れる

ふいと、話題を変え始めた。

一応プレイはしてるんですよ、妹のクリア済みのを借りてガチ仕様（努力値とか個体値とかちゃんとしてるの）忍ばせたりとかしてただけで…。

あまり好ましくは思わんが、と小さな声で。

す、とポプリに手を伸ばして触れてみようとしつつ。

お祭りについて問われると、軽く唸り始め。

自分の名前——『キー』ばかりを言っていた小龍がふと『キー』ではなく別の名を呼んだ。
すればもにょもにょと少し口籠もってから、ふうと溜息を吐いた。
少し——空気が変わった、だろうか。

『初めまして』と、雰囲気を変えた小龍は迦楼羅を見据えて。

これでどうだろう。
少しは説明になっただろうかと、『キーエ』はゆるく首を振り。

ころっとまた人格が交代した。

白い箱から甘いにおいがする