69日か……。
終わってみれば短い期間だ。
もうずっと長いこと戦ってきた気がするんだがな。

……ずっと戦ってきた。正直、ついていくのがやっとの戦いだったよ。
大体、リリエッタと満さんはいろいろ人間離れしすぎているんだよな。
リリエッタはまぁ天使だから仕方ないのかも知れないが。

二人の前で弱気を見せないように頑張ってきたが……
戦いの終わった今なら、もっと肩肘はらずに二人と向き合えるのかもな。
それも、楽しみだ。

もし神楽が今も居れば、もっと気楽だったんだろうなと今でもたまに思う。
下手に暴れすぎて農場送りになったという話だが……元気にやっているんだろうか。
落ち着いたら様子を見に行ってやるかな……。
それにこの祝賀ムードだ。もしかしたら元賞金首にも恩赦の一つも出るかもしれん。

そうだ、様子を見たいと言えば、この新しい世界であの名ばかり社長が成功するかどうかも気になるところだな。
社長は……実際には中年ニートだったが、人を納得させるだけの自信を備えていた。
あの自信は、私と同じような虚勢だったのだろうか？
それとも、心からのものだったのだろうか。
どちらかは分からないが……どちらでも、応援したいと思う。
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新たな冒険の予感が・・・　しない。

先行く姿を見掛け、片手を大きく振り、声を掛けた。

—喋る事が出来てよかった。
　もしかしたら、ずっとこのまま何も話せず、言葉が伝えられなかったかもしれない。
　ドゥバドさん、ありがとう。今日も、楽しい一日になるといいな。

満の影が動き出す