沈みゆく太陽の未練がましさを彩る空の色は好き。生温さを剥ぎ取る熾烈な色。
ひび割れた空から零れ落ちる終末の欠片のようだ。
拾い上げた石をその光に翳す。きらり、きらり。ほっと一息つくと、太陽は雅な尾ひれを引いてしまった。
途端に暗くなる。
それでも、もらった目は闇の中でもよく見える。音もよく聞こえる。鼻だって悪くない。
暗闇はまったく怖くない。
行くべき場所に真っ直ぐと、迷いの無い足取りで歪な道を歩く。

最初、キラキラした竹を見つけて持ち帰った。頭を撫でてくれたので、また持ち帰った。
見つからなかった時は、丈夫そうな、立派な植物を持ち帰ったし、カワイイ花も一緒に持ち帰った。
それも受け取ってもらえたから、植物は安牌のはずで、迷ったら植物を持って帰ろうと思っていた。
しかし、ここ(山岳地帯)では中々良い植物が見つからない。
地形に合わせた生態系により成り立ったそれらは、良い意味で目を引くようなものではなかった。
良く分からない円柱の、中が空洞の見るからに安っぽかった金属を、空模様と相談して持ち帰ろうかとも思った。
しかし誰かが捨てたゴミのように見えたので、明後日の方角へ投げ捨てた。
もっと良いものが見つかると信じて探した。その結果、見つけたのはキラキラした青黒い石。
この暗闇の中ではただの黒い石ころだ。色彩溢れる陽の元で渡したい。

耳が不安で沈んだ感情に合わせて伏せられる。
しかしすぐさまピンと立つ。あんな男に縋りつくなんて気に食わない！と。
立ち昇った激情が言葉になって吐き出される——事は無く、耳は左右にばらばらに、ぴょこぴょこと動く。

言い聞かせるように呟くが、腹で未だに燻るものを今のうちに吐き出しておこうと、思いつく限りに愚痴を吐く。
山岳の道は歩き難い。蹴躓きそうな邪魔な石を蹴った。蹴り方が悪かったのか、親指に違和感を覚える。
頬を膨らまして更に石を蹴っとばしてやろうとしたところで、ふっと別の思考が茹だった脳に差し込んだ。

いいこと思いついた、と子供のように表情を綻ばせ、少し軽快になった足取りで目的の場所へ向かった。

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今日はここまで続きは明日∈(・ω・)∋

相棒、という言葉に少し考えこむと腰に備えた装飾の月長石を一つ小突く。淡い光と共に白銀色の小鳥が現れ、小鳥はくるりと宙返りを一つしレイの肩に留まる。

その通り、と言わんばかりに小鳥は囀り、それと同時に柔らかな風が吹いた。

(ぼりっぼりっ)