一揆参加後、今日で七日目になる。随分と長い一週間だった。
　旅の仲間達とも、それなりに打ち解けてきたように思える。
　今日の日記にはおれの仲間に対する印象を、書き記していくつもりだ。

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・赤髪君……シアー・スティング君は、観光大使を生業としている人間の少女だ。
　おれが他の仲間達と出会ったのも、他の仲間達がこうしてこのパーティに参加したのも、彼女の人懐こい勧誘によるところが大きかろう。
　戦闘には直接参加しないが、用心棒である後述のミカヅキ君の背後から応援をしているようだ。
　また、ミカヅキ君と共に戦術案を企画する、参謀役でもある。つかみ所が無く飄々とした性格だが、リーダーシップを持ち合わせた頼りになる少女である。

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・ミカヅキ君……端的に言えば、大柄な女性、である。
　シアー君の用心棒だ、と紹介されたのみで、彼女の素性についてはよく知らない。
　しかし大の大人が持ち上げられない程の、重厚な金塊のような大剣を先陣で軽々振り回すその姿を見るに、相当荒事には慣れているようだ。
　この分割世界には、異世界からの来訪者も頻繁に居るとの事であるが為、彼女もまたどこかの世界で戦い抜いてきた、歴戦の強者と見て間違いないだろう。
　また、普段は仮面で顔を隠しているのだが、最近稀に外している姿が見受けられる。身分を隠しているのではないのだろうか？
　豪快な戦闘スタイルと同様に、結構大雑把な性分なのやも知れない。

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・ヴェルンカステル君……おれはヴェル君と呼んでいる。
　翼の生えた人間……いや、人間なのだろうか。人間とは翼の生えた生物では無かったような気がするのだが……少なくとも、彼女が蛙でない事だけは確かである。
　眼の覚めるような艶のある金髪と幼さの残る容貌等、可憐でしとやかな少女に思える。
　しかし得物は中々に物騒で、戦闘の際には身の丈程の長さがある大鎌を巧みに操って敵をなますに切り刻まんとする。
　また、怪我の治療を請け負ってもらっており、戦闘中はあちらこちらと忙しなく動き回っている。縁の下の力持ち、と云った存在だろう。
　言動もどことなくのんびりしていて、中々に愛嬌のある性格の持ち主だ。グルメなようで、ミカヅキ君に菓子の料理をしてもらっている姿を毎日のように見かける。
　また、食いしん坊なのか、昨日襲いかかってきた大型の海老……ブラックタイガーを調理しようと目論んでいたのを、おれは知っている。
　そんな少々おとぼけたところもまた愛嬌、だろう。

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・白衣君……彼の下の名で、普段はキリシ君と呼ばせてもらっている。
　文字通り、見た事の無い素材で作られた白衣を身に纏った青年であり、本人が云うには学徒であるらしい。
　元はこの世界の住人ではないようで、頻繁に元の世界との違いについて、この世界の様々な現象に対して考察をしている姿が見受けられる。
　中々に研究熱心な性格のようで、少し前に頼まれて、おれの表皮に生えた苔のエンブリオの提供を頼まれた事がある。
　件の苔は沼ではマトモに育たず、おれの背中にしか生えて来なかったのだが、それでもなんとか培養には成功したようである。研究の腕前は中々のものだ。
　またコインを用いた占いが得意技のようで、時たま我々に披露してくれる。たまたま興奮状態にあったおれの前でコインを放り投げている姿を披露してしまい、前後不覚のおれに襲われた事もある不憫な面もあるが。
　……この世界に来たのも彼の本意ではないようだし、幸の薄い性分なのだろうか、と少々心配である。

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　書き記していくと、存外と文量が増えてしまった。
　一週間でこの程度と考えると、今後はもっと日記が厚くなっていくだろう。
　……少しだけ、楽しみに思っている。

この男、いざやると決めたらこだわるタイプである。

葱、自力で移動できないらしい。

(キラーインコの首根っこを押さえている。)

……！？

　　　　　　　背負った竹を肩越しに抜いた