確かにそうだが、たまたまこの世界に辿り着いて初めて出会った人間が
どこにも属せぬ騎士見習いの青年だったものでな。
彼と同行することになって……成り行きであるな。

『この像はそうですねえ……確かに私の身からうまれた物なので大体あってると言いましょうか。
身から出た金という奴です。』

なんか違うぞそれ……

水……うう……水銀ならぬ水金状態ではないか。

『私はキンイロヒカリゴケ、キンイロヒカリゴケはキンイロヒカリゴケなのです。』

これは某のエンブリオぞ。

『そう、あなたもこの像のように金色に染まれるのです。どうです？触れてみませんか？』

ヒャッハー！！

『と、このように平原の狼もテンションMAXです』

『全部私の手作りでございます……手なんてありませんが。
好きな物、ですか……？そうですねえ……金色に染めがいのある物でしょうか。』

悪趣味だ……

『そうトランシーバー！俺は魔道具とか小物とかを作っているいわゆる魔道具職人なんだが、
諸事情で一揆参加者にコンタクトをとってるんだ。
お兄さんの言うとおりかなり遠いところから話してるんだが……』

『うーん目で見れないのが残念だなそのベルト！
おいドール、どうにか交渉して分けてもらったりできないのか？』

おいおい無茶言うんじゃねえ。

……………

う……うう……自分では見えないが酷いことになってしまったのではないか……うううう……

『ビーム！ですか……なるほど、この像が踊らないかとか、ビームを出さないかとか、インテリアとしての用途以上の要望も多いようです。これは実装も考えるべきですかね……』

と、とんでもないことになるぞ……

これからもこの部屋を楽しんでいってNE☆！

ふわもこ族とはそんなに勢力を広めていたのか……

『なるほど、では世界中のふわもこ族を集結させて国王の居城に押し寄せれば一揆も楽勝……？』

本当に数の暴力だな。

『人間の用途というと……注連縄とかですか。』

それなら某も胸につけているぞ。

『ほかには動物が食べたり……』

『そういえばふわもこたちは何を食べるのでしょう……』

『なるほど調和ですか……
この部屋もまた金の彫像のために私が用意したものですからね……うふふ』

褒められてデレデレになっているぞ……

ん？えーと普通なら趣味の悪い金の像……その場に調和していないから……

つまり金楊騎士は普段外にいるときは場に調和してないから悪趣味ということに……？

某は像ではないぞ！？

あれを子供向けとするのは……鎧武なんて文字列、少なくとも小学校高学年までおあずけだと思うんだが

変身は女の子も夢見るけど、変身願望は男女問わないのかしらね

それはそうと、彫像だけあってやっぱり武装の像が栄えてるの

うん、ごめんねー。間借りしてる身だからさー、あんま勝手にいろいろ持って帰るわけにもね…。
ましてや、これけっこうでっかいしね…。

かなり細かいトコまでよく出来てるし、これ作るの時間かかるし大変だよねぇ…。

誰がどうやって作ってるか、っていうのは…秘密、なのかな？

僕の所にいるふわもこ達はこれで全員だね

今後増えるかどうかは……どうだろう？

ほどよいエンブリオが来るかどうかでござるな……

先日は世話になった。お陰でエンブリオと遭遇出来たし、装備も一新出来たからな。礼も兼ねて伺わせて貰ったのだが、考えてみたら主たる者部屋に来たのに土産の一つも持参しないのは失礼だったな…すまん。

こんなに一杯の金の像が立ち並ぶなんて壮観ですね。
どれも精巧に誂えられていて見応えがあります…これは金楊騎士様の像、こちらはあちらに居られた方の…あら、これは？