11月20日。
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—あの子のいない、ニ度目の誕生日。
去年はここではない月明かりの下、同じ空の下のあの子を思い、彼と二人で祝った。
今年も、帰りを待ちながら、帰って来たら、来ていたら一緒に、と思っていた。
私達が村から帰ってきた時、あの子はまだ、目覚めていなかった。
あの時から、ずっと。

「あの子は全く寝坊助なんだから。
　……明日、明日まで起きなかったら先に行きましょう？」

「大丈夫よ。もう子供じゃないのよ、あの子も。
　ずっと私達について回ってるだけじゃいつまで経っても独り立ちしないでしょ？」

私が起こさなかったから。

「ねえ、私ね…
　ホントはあんたと二人になりたかった。
　いつからかはわからないけど、ずっと前から…
　私ね…その……」

私のわがままが、あの子の時間を止めてしまった。

あの子の目が覚めたと聞いた時も、ほっとすることはできなかった。
一歩も外に出ず、あの子が村から出るのを待った。
先延ばしにした。答えが、見つからなかったから。

「ねえ、メルル…
　村に帰ってきたら…あたし、お嫁さんになりたい。」

「なるのはいいけど…。
　相手がいないとどうにもならないでしょ？」

「相手って…その…わかるでしょ？
　……ほら、えと…」

「ハイハイ。
　あんなののどこがいいんだか。ミィナも物好きね。」

あの子とどうやって顔を合わせればいいだろう。
親友を出し抜いて得られたものに、なんの意味があったのだろう。

村に帰ってくるまではきっと何とかできるだろうと思っていた。
しかし、今は答えが出せないでいる。

眠り続けるあの子の姿を見てしまったから。
そして…

「……ミィナ、
　こんな私を見て、あなたはどう思う？」

軽蔑されるだろうか。
優しい子だから、祝福の言葉をかけてくれるかもしれない。
でも、私達のいないところでひっそりと泣くだろう。
苦しくても人前では泣こうとしない、そういう子だったから。

大きくなったお腹をさすりながら、いつか来るあの子との再会の時を思い浮かべていた。

少々戸惑うものの、そう思われた原因が手元の弓にある事に気付く。

横から物凄い勢いで馬車が走ってくる。ちなみにここは馬車の通行は禁止である。
どうやら後ろから街の警備の騎士に追われているらしい。

チビ呼ばわりされた事に相当怒ったのか反射的に弓を取り出し光の矢を放つ。
放たれた光の矢は高速でこちらに走ってくる馬車の車輪を正確に撃ち抜く。
車輪を撃ち抜かれた馬車はその場に転倒し、どうやら追ってきた騎士に捕まったようである。

口ではそう言うのだが色々と笑えない。
しかも余りにも正確すぎる狙撃を見せてしまったせいで、
さらに勘違いさせてしまった可能性は否定できない。

やっぱりといった感じで

　あんまり、役には立ちそうにありませんが。考え方だけは結構しっかりしているみたいです。
もう既に貸し一つ、みたいな。

　ワイルドライフ。こちらも料理とか一ミリも考えてなさそうであります。
そんなのに聞いても大した答えは返ってくるはずも。

　その後焼いたりする工程があると思うのですが。偉そうに胸を張りました。

　紆余曲折を経て、職を見つけて日銭を稼いで。一揆外でやたらと奮戦している模様でした。

第一印象

第二印象。主にクジャマルとハクレンに向けて呟かれた言葉

別の意味でやる気満々だ！