キョンシーから聞いた話は微妙に的を射るものではなかった。
あの微妙な外し方は作為的と見ていいだろう。
誰を庇っているのかは知らないが、そこに大した問題はないだろう。
ガラクタ(姉)に聞けば、全て判るのだから。

キョンシーは闘技大会でそこそこ健闘しているらしい。
褒美に「成長」させる。
これによってどのような影響が出るかもまた見ものだ。

　ぶつぶつとうわ言のように呟く。
　眼前の青年が肩に手をかけても、力なくだらんと腕を下ろしたまま反応することはない。

　——と、思われたが。

　錯乱したように青年の腕を振り払うと、大仰な様子で頭を抱え半狂乱になって絶叫する。

　その怯え切った表情は、心からのものであるようだった。

大岩にもたれかかる少女はあからさまに不機嫌そうだ。

思い当たる節があったのか、静かに目を閉る。
暫し思考した後、目を開く。

他にもまだ自分に問いたいことがあるのか。
そんな疑念を含んだ眼差しでヤタを見ている。

ファイは真実を知らない。そのことを失念していたようだ。
はっとしてまたあなたに向き直る。

言葉に迷ったのか、少し考え込む。

もう一つの本音は口に出さず、顔を伏せる。
裏側に潜る気配はない。真実を伝えてからの方がいいと判断したようだ。