さて、彼が彼と出会ったのはいつの頃か。

「あ？俺が旦那と出会った時を教えて欲しいだ？」

こくこく、とその小さい火蜥蜴は首を縦に振る。

——自分の事は話していても、あなたの事は話さないのはフェアではない。

同じ空間にいる以上、互いの信頼関係の為にも対等であるべきだと考えるのです。
それを自分の事は知っていて、あなたの事をしっていないのは如何なことかと。

「手前が勝手に話してきたんだろ。俺が知るか」

む。またそう言って。自分のことは話さないつもりですね。
一匹狼ですか、ヘタレですか。負け犬ですか、送り狼ですか？

「覚えたての言葉を適当に使うんじゃねぇ」

顔面に食べかけの生肉が飛んできた。
あ、酷いです。こんがりいい感じに焼けたじゃないですか！僕は黒焦げの方が好きです。炭素の方が取り込みやすいです！

「じゃぁそのまんま顔に貼り付けとけ」

じゅーと肉の焼ける音をＢＧＭとし、彼はあっという間に食事をすませた様だ。
口の周りを舌で拭い、水を雑に飲んでいる。

「大体、そんな話しても面白くねぇだろうがよ」

面白いかどうかは自分で決めます。

「お子ちゃまには、関係ねぇよ」

そんな事ありません。
同居者としてあたなの事を知りたいと思うのです。

「……だったら旦那から聞けよ」

聞こうとしても、あなたの許しが無いまま聞くことはできない。
火蜥蜴はそう言うと、既に眠る態勢を取っていた彼は欠伸交じりに言い放った。

「勝手に聞け、わざわざ俺に確認とんな」

五月蠅ぇんだよ、と続けて言うと彼はゆっくりと瞼を閉じた。
———あぁ、五月蠅い。
そう思ったのは真っ直ぐな言葉か。それとも真摯に向けられる思いか。
冷たい両脚の間に顔を入れ、触れる毛が硬い感触を伝えてきた様な気がした。

>卍人さん

*あらじゃあフリーと間違えられてたって事もあるのね。後でしっかりマーキングしとこうと思う奥様でした*

＞ご主人

　　　同行者達の度重なる無茶な行動っぷりに、若干キレかけているようです。
　　　ティシアさんとご主人のやり取りにツッコもうかと悩んでいたようですが、
　　　今ので吹っ飛んでしまったようです。

＞ルーチェさん

そう、肩をすくめたが、ルーチェの言葉にくすくすと笑い、