さて、廃屋の快適度を上げるために家具やら雑貨やらを持ち込んでいるわけだけれど。
大学から使っていないパイプ椅子や長机をくすねて……もとい、譲ってもらって持ち込もうとしたんだけれど。

ひゃあああああっ！？

なんて、悲鳴のような泣き声のような声が聞こえてきた。
確か、ガル君が先にアレコレと掃除とかやってるって聞いていたんだけど。
「大丈夫かい、ガル君！？……って、誰もいない？」
目の前にあるのは、付けかけのカーテンと開け放たれた窓。
その外は、夜の帳が広がるばかりで人の気配も感じられない。
「風の音だったのかなぁ……？」
不思議に思いつつも、防犯の問題もあるので窓を閉じてしっかりと鍵もかける。

「……そういや、ガル君見かけないけど……トイレかな？」

そんな事を暢気に呟きつつ、作業途中のカーテンをつけて軽く掃除をして。
「そろそろ寝ようかな」
欠伸をしてから、帰って寝る事にした。



ああ、すれ違い……なんて言ってる誰かの声を聞いた気がするけれど。
きっと空耳だよね。

>卍人さん

*あらじゃあフリーと間違えられてたって事もあるのね。後でしっかりマーキングしとこうと思う奥様でした*

＞ご主人

　　　同行者達の度重なる無茶な行動っぷりに、若干キレかけているようです。
　　　ティシアさんとご主人のやり取りにツッコもうかと悩んでいたようですが、
　　　今ので吹っ飛んでしまったようです。

＞ルーチェさん

そう、肩をすくめたが、ルーチェの言葉にくすくすと笑い、

そう言って示した露出面の方が多い彼女の胸元には、深紅の宝石を中央にあしらったネックレスが煌いていた。
というか、さらりと話したその事実（？）が、なんだか妙に本当っぽくて怖い。

夢魔らしく、魅惑的な容姿で近距離から責めるミアンヌ。
心底嫌そうな顔をするデルタを嬉々として苛めているその姿を見ると、どちらが主従なのかがわからない。

声色を真似した後、やれやれと肩をすくめた。