……華煉、転送されてきた服を着てみたが、どうだろうか。

…うん。 やっぱりそっちの見た目だと、そう言う服装の方がそれっぽいわね。
動きに不備は無い？

不備……は、特に感じないな。 強いて言えば、ブーツが変わって視線が低くなって、少し不思議な感覚がする位か…。
元々服装に関してはこれと言った拘りはあまり無かったし、いつもの服と形もそう大差無いから、問題にはならない。

…流石に素の身長が180以上あって、更に下駄ブーツで8センチ底上げして190以上になった女子が居たら、威圧感バリバリ過ぎるから……
申し訳無いけれど、その辺りは慣れて貰うしか無いわね…。

…あぁ、分かっている。 だから、あまり気にしなくて良い。

それで、契約したエンブリオだっけ？ それってどうなったの？

…まずは、言わずもがなカヅチだな。
この世界でサラマンダーとしての力を開花させて、俺の能力を底上げすると言う、新たな能力に目覚めた。

…とは言え、行動的にはいつものようには行かないんだけどね。
二重契約のお陰で、御舟の傍でなければ実体を具現化出来なくなってしまっているよ。

……それじゃあ、二人で手分けして情報収集、なんて言う事は出来なくなっちゃってるのね。
ま、仕方無いと言えば仕方無いか。

その次に契約したのが、見習い悪魔(デビル)のディースだな。
まだ子供でヒトの言葉は話せないが、エンブリオの能力は他と引けを取らない、頼もしい存在だ。

……初めて会う人だから、少し緊張しているのか？
大丈夫だ、あの人は俺の依頼主で、本当はとても優しい人だ。

…それで、コイツがザントマンのサズール。
いつも気怠げな態度だが、やるべき仕事はきっちりこなしてくれるしっかり者だ。

次は……キラーウルフのルーフなんだが、そう言えば外へ使いに出してしまっているな…。
済まない、アイツの紹介はまた今度だな…。

ふふ、構わないわ。 単独で外へ出しても大丈夫と言う事は、相当な『忠犬』なのね。

………嗚呼、確かに見た目や中身は大きなポメラニアンと言って、語弊は無いだろうな…。

Oh……マジで狼じゃなく、犬なのね…。

…そして、次に契約したのがコンシェルジュ……シツジだな。
何故か、『彼等』は契約後にも姿を変える事が多々あって……今は、白いのが出ているようだな…。

…夢の中で、まさか貴女に会う事になるとは、思ってもいませんでした…。
………お久し振りですね、華煉さん。

……アンタ、その声…………まさか、クロード…？

え、

…は？

…はい、今の俺は正真正銘、『クロード＝カッツェ』です。
俺が元居る世界で眠っていると、いつもこの世界で彼の従者として傍に居る夢を見ていたのですが…これでハッキリしましたね。

今の俺は、どうやら意識だけがこの体に入り込んで、動いている存在のようです。
夢から覚めた後、この体がどうなっていたのかが気になっていたのですが、宿主が居たのなら納得です。

……おぉぅ、何てこったい…。

灯台下暗しとは良く言った物だが、まさか全く気付かなかったとは、何たる失態……。

………宿から出て来たと思ったら、何だこいつは…。
口ぶりから察するに、愛知の巨漢なのだろうが……明らかに別人の姿だな…。

……峰打ちで済ませようと思ったが、そんなに斬られる事を望むか…？

それとカヅチ、ウェルダンの準備だ。 最大火力で構わない。

…御舟、それは既にウェルダンを通り越して『消し炭』じゃないかい？

……そんな事なぞ、構う物か。 言葉の綾だ。

ラーフィーたん、
私は巨漢で間違いないですよ。
水着の着替えは終わりましたか？
御舟たんがお待ちかねですよ

なるほど、そう言われりゃそうだ……ま、大きな物が楽だとは言わねぇが。

きな臭せぇ話だが、俺だって誰撃っても良い大きな争いよりゃ、
個人指定の狙撃の方が気合の入り方も違うってもんさ。

どんだけ脱線したらそうなったんだ……？
話しぶりからすると、探し人も見付かった訳じゃなさそうだが。

ぬぉ、背高ぇと思ってたらなんだこりゃ……？なんかの修行か？
アレだ……本で見た事のあるテング？とか言うヤツが履いてたぜぇ。

ま、人間なかなか素直に褒められると戸惑うもんさねぇ。
形に囚われねぇ独学ならでは、ってのもあるんじゃねぇか？

最近は戦闘も安定しすぎちゃってるからね。ちょっと冒険してみたい感じもあるかな？
まぁ、他方ではサタンやらの悪魔クラスの敵も出てきてるみたいだしそのうち胸躍るような戦闘も出来ると思うよ？

幼い頃からずっと銃を作り続けてる職人さんですら、まだ満足行く唯一品を作ったことがないっていう人もいるからね・・・。
それは武器にかぎらず武術家とかにもいえることでもありますけど。

美しいものに斬られてもいいっていう願望はボクにはあまり無いものですけどわかる気はします。
死ぬならせめて美しく死にたいという感情は誰しも持ちうるものだと思いますよ？

ミフネさん、ゆったりとした着物とか着ればいいんじゃないかなぁ？男女兼用の着物とかさ。

ボクの場合は自分で好きなタイミングで変えることが出来ないからね。一気に変わらずに徐々に変化していくから着替えに手間取るとかって感覚わかんないや。

ふと思ったんだけど、ボクが男性体に変わったら目標がボクに変わっちゃったりするのかなぁ・・・。それはそれでやだな。あの体でもふもふとかされたくないよ。

ミフネさんの考えで合ってると思うよ。彼女は特別なんだ。悪い意味でね。

まぁ、彼女の話はこの辺でやめにしないかなぁ？
此処にいない人間の話ってわりとネガティブ傾向に行きがちだし・・・さ？

逆に聞くけど、普通ってなんだろうね？不特定大多数の平均の値を普通っていうんだろうか？
でも、ボクの国の人々はボクと同じ"国以外の人からみたら"変な人なわけだけど。国の中ではそれが当たり前だったからね。

だからこそ、ミフネさんが女性になろうと辺とは思わなかったわけなんだけどさ。

ネクターの代わりかぁ。色々面倒くさそうだね。セレスに頼んで外に連れ出すような方法を取れないかなぁ。

あ、セレスっていうのはボクの相方のエキドナで、此処に来た時わざわざネクターを使ってボクの初めてのエンブリオになってくれたんだ。

それじゃ、やろう。言っておくけど、負けるとしてもただじゃ負けてあげないからね？

……では、行くか。

お出ましになったな。
相手をしてやるぜ( ´ー｀)y-~~

それじゃあ、始めよっか

何を求めてここに来た。ここは既にほぼ人の世界に非ず・・・

何でもするで。要らんこともするでぇ。

何を求めてここに来た。ここは既にほぼ人の世界に非ず・・・

楽しみましょう？・・・・・長い長い、夜を。

何でもするで。要らんこともするでぇ。