「もしもし、お爺様ですか？」
久しぶりの電話は嫌でも緊張するものだね。
「おう、真卜かぁ。久しぶりだなぁ……どうした、金の無心か？」
「そこまで貧窮してないよ！？」
「なんでぇ、切羽詰ってる気がしたから何かやらかして親に頼れねぇ事になったのかと思ったんだが」
なんでこんな妙な所が鋭いんだろう、この人は。
「で、そんな勘の鋭い爺様になんの電話だい真卜？」
「心でも読んでるの？」
「ははは、そんなもんだ。年寄り嘗めちゃいけねぇよ」
「まぁ、お金じゃなくて……ええと、その」
先手を打たれた気がして、どうにも質問しにくい。
これも含めて見透かされてる気がしてくる。
でも、ちゃんとこっちが切り出すまで待ってくれてる辺り優しいんだと思う。
黙っていてもしょうがないので、腹を括って。
「家を継ぐ事なんだけどさ。なんで僕なの？
　普通に考えたら、父さんだよね？
　グループでちゃんと実績を残してるし、人望だってちゃんとあるし……何より、筋が通る」
よし、ちゃんと言えた。
役者としての練習の賜物かな、声の大きさや聞き取りやすさはちゃんと伝わってると思う。
……思いたい。
少し、電話口の向こうから　ふむぅ　なんて声が聞こえてきている。
何を考えているんだろうか。
「そうさなぁ……うちの家はちょっと変わっててな。
　古いってのもそうなんだが、当主には素質っつーか、才能っつーか……まぁ、そういうのがあってな。
　それが無いと当主になれんのよ。
　で、オマエさんにはそれがあって。息子にゃそれが無かった」
「たまたま、僕だったって事？」
「そうとも言えるかもしんねぇなぁ」
「もしも、家族の誰もその特徴が無い状態で跡取りが必要になったらどうなるの？」
「どうなんだろうなぁ？絶対に跡取りが生まれてきてたらしいから、儂にゃわからんなぁ……」
「それじゃあ、その素質だか才能ってなんなの？」
「んぅー……それはその内わかんだろ。そういうもんだ」
そう言うと呵呵と笑う。
何が面白いのかさっぱりだ。
その不満な感じが伝わったのだろうか。
「まぁ、どうしても困ったってんなら近くのやつに助けて貰えばいい。
　きっとなんとかならぁ」



上手く、はぐらかされた気がする。
そんな電話だった。

いまのところ止め返されたことは無いようです。

なんか抱っこしてぐるぐる回ってる　動物あるあるにノックアウト

ただの自慢である

そうじゃねえよって感じだが、からかってるのである　冗談ではないのだけど

*何かを発見して嬉しそうだ*

戦車というにはあまりに小さな車両が走り抜ける…