精神支配の力が戻らぬ今、エンブリオの支配、ひいては我が身を守る魔術の獲得にはこの赤い花……ネクターが欠かせぬ。だが、それが底を尽きるのも時間の問題である。花弁をエンブリオにやるために千切る。一日程で花弁が元に戻ってはいるが、契約と成長に必要な花弁の量が再生に追いつかぬようだ。今はまだ、進攻先のエンブリオや雑兵どもから奪うという手段で賄えてはいる。今後、如何にネクターを確保するか、だ。

水辺に進んでいたジンギロウが戻ってきた。合流するまで水辺で待てと言ったが、聞かん奴だ。予定を変更して平原のエンブリオの収集に注力するとしよう。ネコとキコはピクニック気分で浮かれているようだ。たまには息抜きも悪くはなかろう。









現王がネクターの独占によってエンブリオを支配しているならば、つまりは同じ手段をとれば良いというものだ。

訝しげに相手を眺める。相手の目つき、言葉の端々から、良くないモノを感じ取る。

説明書き（の切れ端）

によって事なきを得た我々調査隊は、かくして本拠地である山荘へと戻る事が出来た。
この記録を残せているのも、ひとえにブリ隊員の機転による所が大きい。
しかし、いかにも女神の加護を受けていそうなヤツらが、まさか、氷結呪文を弱点にしているとは思いもしなかった。
凍るでもなく、しおれるでもなく、一見、干からびたかのように見えるヤツらの死骸は、本当に不思議で、まさに弱点を突いたと言ったところなのだろうか？

おや、いつのまにか、雨が降ってきたようだ、鎧戸を閉めなくては・・・
なんだ、これは、

窓に！

窓に！！