白雪と、ローさんと無事に合流
そして、今回はパンディーと初めて戦場を共にするわね

巷では、一撃で敵の大将を打ち倒すという、凶暴な熊って聞いたけど
やっぱり、こうしてみると、いつもののほほーんとした
パンディーなのよね・・・人っていうか、熊は見かけによらないわね

そんなパンディーを見て白雪が捕獲して商売に使えないか考えていたようだ
ちょっとした、パンディー捕獲大作戦が決行されたが、ローさんも巻き込んで
大騒ぎになりそうだったけど、ユメルが説得して事なきを得たわ


商売のこととなると白雪も、あのおっとりした姿からは想像できないほど
たくましいからね・・・いや、うん・・・でもさすがに、うちの部隊が誇る、盾と矛相手に
パンディーが大立ち回りしたら、どうしようかとヒヤヒヤしたわ・・・

ところで、白雪に山で疲れたら、あんたどうしたの？って聞いたら

ああ、エンブリオたちね、ポチとかゴンザレス大きいもんね

へー、いい主従関係ね

あ、あんたの場合やりそうなのよ！！まったくもぅ・・・

なお、この後ユメルが白雪を説得して難を逃れました

よそわれた熊鍋を眺めつつ、一口食べる。

そんな言い訳をしてきたのは、アムルイ・パセニシパという少女だ。
何度か取引の経験はあるが、現在は借手と貸主という間柄である。
君自身は催促するつもりはなかったが、せっかくだ。
ちょうどいい機会だと思って、彼女の持つ付加の腕を借りてみるのも悪くない。
……そんなあれこれの交渉を終えた後、彼女はやけに真剣な顔でこう言った。

問いかけの意味は、今後の身の振り方だろうか。
君には帰るべき世界があるのだし、いつかはそこへ帰るだろう。
アムルイも、その点については思い至っていないわけでもなさそうだ。
ならば問いかけの意味は、君自身の今後ではない。
彼女は一揆をどう終わらせるかを、君に問うていたのだ。
しかし君の答えを待たず、彼女は話を続けた。

つまりそれは、君主を廃した共和制への道。
大名の娘である君にとって、それは魔王パラダイスの自業自得だとしても、無視できる道ではない。
いつか君が最上家の当主を継いだ時、それは君の前に立ちはだかるかもしれないのだ。

民が自ら選ぶというのなら、選ばないという選択肢もあって然るべきだ。
また違う国を望む者もいれば、旧体制の存続を望む者もいる。
思想、あるいは単純に損得で、人は立場を変えてしまう。
そのことはやがて人の上に立つ者として、君も自覚しておくべきことだ。

そうして民が、自ら国を選ぶ。
思想と立場の違いを許容するために、受け皿を増やす。
アムルイの語るそれは、この王国に多様性を与えるということだ。
今や斜陽の王国を、可能な限り多く引き継ぎ、存続させながら滅ぼし、新しく作り変える道だ。

実現すれば、共和制は選択肢の一つに過ぎなくなる。
共和制に反発する者も、ならばと別の制度を選ぶことができる。
それどころか——魔王パラダイスの一派さえ、呑み込んでしまえる。
アムルイが示したものは、救えるものの全てを救おうとする道でもあったのだ。

誘いの言葉は、君の立場を理解してのもの。
封建制度の後継者たる君に、その立場を見込んで乞うている。

彼女が目指す道の一つ、共和制。
それに反発するのは、今の階級社会において上位に位置する者。
即ち貴族や騎士と呼ばれる存在だ。

提示された条件は二つ。
貴族が納得する新しい国の形と、貴族に従う領民の確保。
民が自ら選ぶ自由を得たという前提で考えれば、それはかなりの難題だ。
だからこそアムルイは、君に頼ったのだろう。
自分にはできないから、皆で考えるために。
足りないものを補って欲しいと、君に願った。

そう言ってアムルイは君に手を差し出した。
その手を握れば、巻き込まれてしまうのは間違いない。
今ならまだ、与太話として終わらせることができるのだ。
——それでもアムルイは、君にこう言った。

魔法少女とは物理主体でもなれる職業。その発想は、ロックには無いものであった。

文の勢いに、よくわからない納得をしてしまったロックであった。

文を見かけると、パンダバンヤとユメルは笑顔で駆け寄る。
前に会ったとき、ユメルに焼かれてちりちりになった毛は、既に生え変わっているようだ。
ユメルが文の隣にいる女性に気付く。

ユメルが心配そうな目で二人を交互に見る。

ブゥン！と大きな風切り音を上げて素振りをするパンダバンヤ。
「手加減してあげなさいよ……」と声をかけたユメルは文に向き直った。

満面の笑顔を浮かべるユメルであった。