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　タンポポ荘　朝　クーリアの自室
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　布団の上で目を覚ますと、ロッテちゃんが飛びついてきた。
　そのあまりの勢いに、一体何が起きたのかと、吃驚して数秒困惑する。

　そう言われて、ようやく頭が動き始めたようだ。
　どうやら昨日は寝る前に倒れてしまったらしい。
　しかも、ロッテちゃんに気付かれてしまったようだ。

　心配させまいと、隠してきたつもりだったが、結局は心配かけてしまった…



…
……
………

　クーリアは涙がにじむ声で、小さくシャルロッテに尋ねた




………

クーリアちゃん‥‥お願い‥‥目を覚まして‥‥

クーリアちゃんがいなくなってしまったら‥‥
私‥‥私‥‥！

なでなで。

若干、バツが悪そうに言った。
もしかしたらもっと以前から、口には出してないだけで気づいていたのかもしれない。

迷っているクーリアに言葉をかけようとして、突然現れたシ・ドゥに一瞬、警戒する様な目を向ける。
しかし、クーリアの反応から彼女のエンブリオだと理解し、警戒を解いて彼との会話を無言で見守っていた、が。

最後の言葉は確認であると同時に、シ・ドゥの反応を見遣る為のものだった。
ちらり、とシ・ドゥへの顔へ視線を向ける。

サキュバスとして気づいていたのか、と問われれば。

サキュバスという種族の生態を知った時の反応を見て、沈黙することを選んだのだった。

そう、問うた。

クーリアの問いに、暫し、考え込む様子を見せた。
沈黙。あるいは重くも感ぜられるであろう、染みわたるそれ。

ただ、と、声をひそめて、

そう、懸想したことはある。
乾いた声で、零してみせた。