砂だらけの土地ってよくよく考えてみると、アタシの世界で見たこと無かったのよね。
　何だったかしら…砂丘？そういうのはあるらしいけど、話でしか聞いたこと無いのよね。
　だから実際に砂地っていう場所を見るのはメルンテーゼに来てからっていうことになるわね。

　まぁ…何も無い場所よね。砂ぐらいしかないわ。

　久々に沸立った探究心で四方を見渡してみたけど、見事に何もない。一応岩とか木肌が割れた木とかあるのはあるけど…そんなに珍しいものじゃないし。もっとこう…見たこと無い花とか、変な建物とかあったら面白いんだけど。
　空気も乾燥して気温は暑いし、岩の上はゴツゴツして硬いし、砂の上は沈んで歩きにくいし。
　暑いといつもよりすぐ疲れてきちゃうし…やっぱりアタシは寒いところの方があってるのよね。雪が降る所で生まれたし。
　
　はぁ……それにしても身体が熱いわ。あの太陽からの陽射し、暑過ぎでしょ…。
　こーんな時、お師匠だったら…どうするかしら。

　えっと………脱ぐわね、うん。
　着ている着物を脱いで外気の冷たい風を体に直接当てて冷やす。とても簡単な答えだったわ。
　それじゃアタシもお師匠に見習って、着ている衣服を肌蹴させて素肌に涼しい風でも…。

　………………。
　………。
　…。

　って駄目駄目！
　何考えてるのよアタシ！ここで脱いじゃったらただの変質者じゃない！
　お師匠も家の中でごろごろしてる時だけ肌蹴させてるだけで、家の外じゃアタシがしっかり着させてるんだから！

　だ、ダメね…暑さで頭が回らなくなってきてるわ…なんだってぐーたらお師匠みたいなことをアタシが…っ。
　


　はぁ…どこか水浴びできる場所とか無いかしら…。

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