…その『モノアイズ』が、私達に何の関係がある。

察しが悪いね。その『目』から生まれたのがボク達さ。分かる？

道筋も粗筋も滅茶苦茶ではないか。そんなもの、理解も納得もできるわけが…

誰だ貴様は。

いやいや、そこまで察し悪い？ボクだよ、ネビュラ。新しいボディになったんだってば。

……いつの間に。

…話、続けてもいいかな？まぁ何はなくとも、その『原初のモノアイズ』から、ボクらは生まれた。
言うなれば、モノアイズ第一号とでも言おうか？

…それが、ある理由で『マルチアイズ』に反逆し、拷問の末解体された。『力』と『精神』を分離されてね。
本来は、力だけを抽出して、最強の『モノアイズ』を作り出したかったんだとさ。

ところがどっこい。次元の狭間に廃棄したはずの、力を絞り尽くした『肉体』と『精神』が、とある場所で蘇った。

…まさか。

…そういう事。ボクが、モノアイズの祖。『アンティキティラ・モノアイズ』…その『精神』と『記憶』だ。
そして、キミは『アンティキティラ』の、抽出された『力』…ってことになる。

ボクたちは、兄弟や肉親なんて生易しい関係じゃない。ボクたちは『一つ』だ。ボクにはボクの目的がある。
…一緒に来ないか？全てを投げ出して。任務や使命に踊らされる心配もないんだ。

全てを投げ打って、『アンティキティラ』を蘇らせようじゃないか。

…何故だ？何故、蘇らせる必要がある。要は、貴様が反逆者ということだろう。反逆者に手は貸せん。

それが、アンティキティラの遺志だからさ。自らを蘇らせる。それが、言うなればボク達の『親』の遺志だから。

…巫山戯るな。反逆には死、あるのみ…

わーわわ待って待って！これは君の問題でもあるんだぜ！？

…何？

ふぃ。心臓にわりーな、全く。…君は、何も知らずに過ごしていたいのかい？
『答え』をやるよ。
お前が何のために生きるべきなのか。使命と運命に振り回されるだけの、くだらない命で満足か？

…答えだと？

今のお前にはやれないな。まだまだ、学ぶべきことは沢山あるのさ。

…伝えるのデハ、無かったのデスカ？

ボクは『全てを』伝えるとは言ってないんでね。

…まぁ、貴方ラシイと言うか、何とイウカ…

…いずれ、ね。アイツのすべき選択は、アイツに任せるべきなんだから。

ほう、エンブリオではなく、エンブリオの力をコピーしているのか。
便利な能力だが、何のエンブリオの力をコピーしているのだ？

其れにエンブリオでなければ、何なのであろう？

作られた存在？人工生命体なのか？

一つの存在を二つに分けて、汝と、あの大きな鎧お化けになったと言うのか……

皮肉を皮肉と理解は出来る、のな。
機械的なのかそうじゃないのかわからん奴だぜ……。

マジかよ……どこのどいつだ。
『運び屋』連中がそんなヘマやらかすとは思えねぇし……。

……まさか親父じゃねぇだろうな……。

嫌でも気になるっつーの。
形状が物騒なんだ、当然だろうがよ……まぁいいけど。

仲間の情報、ねぇ……それこそ直接声かけろって。
どういう反応するのやら、想像もできねぇけど。

随分スケールが大きくてゼータクな話だねぇ。
そんな簡単にプチっといけるものでもないだろうに……

でもまぁ、ほんとうに訳のわからないくらいに
強大な力を持つものは、往々にしてそういうもんなのかもね。

レム様が行使するこの力もね、世界をどうこうできるほどってわけじゃないけど、なかなか絶大なんだぜ？
なにせ大元はまるごと千年分の呪いの結晶、その代償だ。
定期的に新しいエンブリオを呪いの依り代として取り込まなきゃ、レム様ころっと逝っちゃうよ。

ところでネーちゃん、お腹すいたんだけどなんか持ってない？

…フン、子鬼か。下らんな。

あやぁ、お客さん？お相手しますよーっ！！

戦闘終了。特に収穫はなし、か。

…観測完了。

…ム？