さてねえ、どうしたものか。
うかうかしてるとあっという間に我々は消し炭だよ。

確かに王に直談判に来たはずが、神話存在との相対だものなあ。
そりゃ確かに最初とは話が違うな。……ハハハ。
神なんて半信半疑のものだったが、目の当たりにすると信じちゃうよね。

あの神の住む所は、水が豊富だとは思えないけどな……。

どうした、私に死んで欲しいんだろ？

…………

……、月並みの言葉になるが、頑張ろうよ。
勝たなきゃどの道お陀仏だ。ま、今回はなんとかして逃げるんだけど。
ほら、枯れかけだけどネクター余ってるから食べる？

もはやただのトカゲだなお前も。
確かにトカゲは花を食らうって聞いたことあるし。
美味しいか、それ。流石に私は食べたことないんだけど。

……。受肉してコれしか食ってないけど、霞より全然マシだ。
でもお前を乗っ取って美味いもの沢山食えタらもっとマシだろうネ。
焦ゲ付いて使い物にならなくなったら困ルんだよ。

生きることってのは食べることだもんねえ。うん。私も特に思うよそれは。
まあ死んだらこんなガタガタの体でも好きにすればいい。
その気なら思い切って今呪い殺してみれば？

ア、それもそうだ。

…………

……

……………………

…………

ゲホッオホッ

やっぱり魔力の差かなあこれ。ここ最近ほとんどヒビが入らないもの。

うおっと！

……皆と近頃は……会話らしい会話、できてないな。
こんな状況じゃ仕方ないか。
でも、我々は少しずつでも強くなれた。それは話さずとも理解る。

てんでバラバラな我々だけど、それでもこうして共に出来るのは嬉しいよ。
向こうじゃ師も一人で戦ってこいなんて言ってきたもんだしな。
傭兵同士にしたって打ち解けられることは少ない。

……待ってて。勝機は掴んでみせる。

褒められて悪い気分にはなりませんが、誰も彼もそのように見ているのだと思ってしまうと、少し残念な気持ちがございます。
ナスル様を悪しからず思っているからこそですから、お言葉には少しばかりお気をつけくださいませ。

……〜〜〜〜〜〜〜〜。申し訳ありません、その……ひどくむずがゆいので、滅多なことでそう……可愛い、などと申されませんようお願い申し上げます。
……あまり意地悪をなさらないでください。

私の尾耳は破滅へ導く罪の果実……ですか？　大丈夫ですよ、触れられた程度でどうにかなるものではありませんから。
……そうですね、ナスル様の身の上話と引き換えでいかがでしょう？

政をなす者からすれば、宗教は善悪の線引きの教科書であり、大衆を統率する手段であり、後ろ指のさされづらい金の源泉であることしょう。誰を利して誰から奪うのかを伝えるための、これ以上ない道具ですから。

あるいは薄々気付いている者も少なからずいるでしょうが、仮に気付いたところで自らを利する慣習に異を唱える必要がどこにございましょう？
……望まれている、ということが、またこの教えをより強固なものにしているのでしょう。それを受け入れ、家の時計のように維持し続けるだけで、自らの地位が確かになるのですから。

異を唱えるとすれば、私の主やナスル様のように、私ども亞人に好意をお持ちになられた方だけでしょう。あるいは、亞人が地位を持つことで何か利が生まれるようになれば、この構図はひっくり返ることになります。
好きや嫌いの感情は、存外それだけが続くものだとは思えません。無関心、のほうがよほど多数派なのではないでしょうか。

かるだもん…すいやせん香辛料には俺、疎くて…
選べるとは申し上げやしたが醤油・塩胡椒・ソースあと…ええと

……ですって。
アインさんの好みのものがあれば良いんですが

とりあえず、酒類と今仰られたもん適当に注文して
調味料については皿を分けて好みでいきやしょうか

へ？自分の好き嫌いですか？そうっすね…
あんまり辛いとか酸っぱいとか、刺激の強ぇモンはちょっと。

怪我とかにゃ頑丈なんですが昔から中身がどうも宜しくなくて
肉も「レア」とか「ミディアム」っていうんですか？
そういうのもちょっと苦手なんっすよね。

あいやその、やくざその物が仕事ってわけじゃ……
自分らの場合は農商組合でもありやすので収入源としては
組合費や人材斡旋料、投資や面倒事の解決料が主なところですか。

たまに「ウリ」だの「ヤク」だのやってるのだろうと
あらぬ事を言われやすが、俺等は真っ当に仕事をやらせてもらってやすよ。

…ま、表に出して無い賭場や酒場はありやすが、法にゃ触れねえもんでさ

ナスルに喜んでもらえて何よりだよ。
……そうだな、俺が教えてやる……って言いたいとこだが、
そこまで手馴れてもいねえしなあ。
まあでも、今からだって練習すりゃ多少はなんとかなるんじゃねえのかな。

ぞ、ゾクゾク？ええっと、……なるほどな！
悪くないのか……ちょっと俺には分からねえ感覚だな……

へへっ、そうするか。
ああ、前回の闘技はこっちも世話になったな。
皆凄かったよな……お前だってそうだぜ。
あんな風に闘ってるところを見ると、不思議とこっちまで楽しくなるよ。

……そうか。

ははは、ナスルが望むなら毎日作ってやりたいくらいだよ。
ああ。ケーキもパフェも大概はそんな感じの、
果物やクリームが乗ったデザートだな。

おう、わかった！
だったら、市場に行って色々見てくるぜ。

悪い、もうこんな時間だな。
日も暮れてきたしそろそろ行かねえと……

……そうだ。今後また酒場とかで会うことがあるかもしれねえけど、
一応うちまでの道を書いた地図を渡しておくな。
遠出の際は野宿することもあるが、大抵はここに居るから。
気が向いたら遊びに来い。例のパフェとか……色々作ってやるよ。

そんじゃ、またな。色々話せて楽しかったぜ。
ナスルも気ィつけて帰れよ。

ふむむむ。…簡単な体術くらいなら、かかさまから習えそうじゃが…適正というのじゃろか。昔からそういった技が苦手でのぅ、ついつい妖術や符術に逃げてしまっているのじゃよー。うぐぐ…

お、おぉう…生々しいのぅ…た、確かに襲ってくる相手には手加減は無用じゃろうが…

…後々に残る怪我をさせたくはないのぅ。

ナスルなら典雅な振る舞いも、すぐに身につけられそうな感じはするのぅ。演武にも似た心持ちじゃてな。…ふむ？

…そ、そうじゃのぅ。ワシとルナは恋仲であるのじゃが…末永く、共に在れるかどうかは、常に気になっておるのぅ…

ユニコーン……を呼んでも、焼け馬になるだけかな。
盾にはなりそうだけど。
堅牢な体だから多少の防ぎになるとはいえ、怒るだろうなあ。

ほいじゃ、お仕事開始といきますか

もう・・・あとには引けません・・・！

…………

全く、余計なことをしてくれたな……。
いやこれは——“燃えてくる”ね。

どこまでも恐れ入る存在だよ。
……、今は、堪えどころだ。とにかく、……機を見て、退こう。

え？嫌ですけど？

こんな愉快なことになるなんて、・・・これだから外界は面白い。

やれることをやるしか、ありませんね・・・

一発でも多くキメてやりますッ！！

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