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３人の人間と行動を共にすることになった。

名はクロウ・アルファ
　　エリファス・レヴィ・ベート
　　リシュレナ・フェルーディア。


クロウとエリファスはこの地の人間ではないらしい。

クロウはアイツと似た服を着ていた。
話を聴いてみたが有益な情報は得られなかった。
だがこの地に来てからアイツと似た服を着ている人間は、彼以外見たことがない。
今後何か有益な情報を得られる確率がゼロとは言い切れない以上、しばらくは行動を共にするのが良いだろう。

エリファスにはまだ話を聞けていないが、俺と同じ世界出身である可能性がある。
話を聞いてみる価値はあるだろう。
だがクロウの話を聞く限りすぐに逃げるらしい。逃げられる前に捕まえることを心がけるようにしよう。


リシュレナは唯一この地出身の者らしい。
出会ったばかりのためほとんど会話も交わしていないが、どことなくアイツと似ている気がしないでもない。
女はあまり得意ではないが余程油断でもしていない限り問題ないだろう。

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今日の分の日記を仕上げ、閉じる。


——それにしても、他人と行動を共にするのはひどく久しい気がする。
実際には数ヶ月も経っていないはずなのだが。



『ご主人、それキレイな首飾りだな！』
「ん？」

椅子に躰を預けていると、唐突にヒンメルが声を掛けてくる。
声に従い視線を下げてみると、胸元辺りで淡い青の石が月光を反射してキラリと輝いた。

『えーっと…空色？って言うんだっけ？　俺の目と同じ色だ！』

ヒンメルが無邪気に笑う。
その満面の笑みを見て、心臓に鈍い痛みが走った気がした。

「っ……そう、やな」

それを悟られまいと必死に笑顔を顔に張り付ける。


その甲斐もあってかヒンメルは特に気にした様子もなく話を続けた。

『なあなあソレどっかで買ったのか？』
「…いや、これは貰いモン」
『へえ〜…イイなそういうの！　俺はプレゼントとか貰ったこともしたこともないからさ〜』

そう言ってヒンメルの顔が少し寂しげな色を滲ませる。



そんな彼を見て、自然と言葉がこぼれた。

「今度何か買ったろか？」
『え』

何気なく、本当に何気なく発した言葉だった。
だがそれを聞いた刹那、ヒンメルは動きを止め石のように硬直した。

「…？　どうしたん？」
『え……え？　ゴメンご主人もう一回言ってもらってもいい？』
「だから今度時間あるときにでも何かヒンメルの欲しいモン買ったろか？って…」
『……ほ、ホントに俺のために？』
「ヒンメル以外に誰がおんの…」

その瞬間、パッと花が咲くように顔が明るくなった。

『〜〜っ！　ありがとうご主人っ！！　大好き！！』
「うわっ！　…ったくいきなり飛びつくなやヒンメル」

呆れ顔でヒンメルの頭をなでてやる。

『えへへ…ゴメンご主人』

口では謝っているが顔はずっとにやけっぱなしだ。

それを見ながら、テオは柔らかくはにかんだ。



『ご主人、約束だからな！　忘れた〜とか絶対ダメだからな！』
「心配せんでも大丈夫やって。それより欲しいモンでも考えとき」
『…うん！』




（約束、か……）


そんなものをしたのはいつ以来だっただろう。
少し思考をめぐらす。すると思っていたよりも簡単に思い出すことができた。



そうだ、あれは初めてアイツと会ったとき————