近くで収穫祭をしているらしいと聞いて遊びに行ったら、フリント領民が全力で地元アピール中でした。
どんだけアグレッシヴなんだよ、フリント領民。


この時期はいろんなところで収穫祭ををやるけど、フリントでは、豊穣に加えて退魔も願う祭らしい。
それで、子ども達がお化けの格好をして家を訪ね、お菓子をもらってまわるというのがあるそうだ。
せっかくなので、俺もカボチャ頭を準備して参加した。
そう、俺はいつまでも子供心を忘れない！


…………だって、仮装推奨ってあったんだもの。
タダで菓子を貰えるなら細かいことなんて気にしないことにする。
全身を布で覆ってるし、頭はカボチャだし。バレないだろ。たぶん。……きっと。
あ、でもこれでどうやって食べたり飲んだりしよう？




そういえば、アーシェに引っ張られて「クロマ・セロシア」という店に行くことになった。
以前、事典亭のマスターから店の名前は聞いていたけど、有名な服飾ブランドを扱ってる店らしい。
つまり、きっとお値段が高い。
どうしてこうなった。


服の買い物に付き合わされると荷物持ちになると相場が決まっている。






※お借りしました。
コミュNo.71『【期間限定】フリント収穫祭【イベント】』
コミュNo.333『Chroma Celosia』
ENo.204 アシェラッド＝ウィアド・ケーナズ

ただ黙ってついてゆく。

ポツリと独り言を落とす。
どこかその様子には、余裕が無いように感じられるかもしれない。

ヴァルはクライの後ろに隠れた！

（うっかり近づくと、バチッときます）

持ち上げられた手を目だけ動かして見ていた。

口許のパペットを外しておずおずとした様子。180度豹変…否、戻った。
なんだか子供みたいにすごいというヴァルに気をよくしたのか、足元に置いたバスケットを開く

のそのそと——バスケット内に花があったのか——花弁の一部を体に付けながら、バスケットから猫が出てくる。パペットとそっくりの黒い猫。
ヴァルを見上げながらうとりと首をかしげ、尻尾を揺らしている。

にゃう、と応答する様に猫は鳴いた。

ヴァルの言葉をなぞりながら、自らの手だけ徐に離す。

今は冗談のようにそれだけ言って、少し笑ってみせる。

言うや否やヴァルの両脇腹に両手を伸ばし、くすぐろうとする！
衣服の下の古傷のことは知る由もない。

撫でてくれた人差し指を、ちょっと甘噛みしつつ、スズメが鳴いた。
どうやら、なでなでしてもらったことへのお礼らしい。

上手くいかない確率が高すぎて賭けにならない。（多分。）

本当にスズメは話の流れが分かっていない。

それは運動会ではなく、身体測定です。

あまりにも驚かれたので気圧されている。

首を傾げた。

頷きからの肯定。
しかし続く言葉に瞳は半眼へと。

変なとこで真っ正直だな、とため息をもらす青年である。
実際は飛んで探すさ、と返しつつ。

特徴は確かに多いんだがなあ、と自分の角を軽く撫でた。
硬質な感触。

怪我のせいで本調子じゃなくてね、と苦笑い。
空をとぶのは実際問題ないぜ、と腰元から翼を伸ばして見せる。
バサリバサリ、動かす度に風が揺れた。

出会った人物の話に目を丸くし。

肩を叩かれながら、言葉を重ねるも、うっすら顔は赤く。

なんと反論していいやら分からず、やがて、がくりと肩を落として言葉を紡ぐのを止め。
その代わりに、相手にそのまま投げ返した。

アンテナを掴まれた無線機をベチンと叩き、ビョンビョンさせる。

　またその反動で、くしゃみと同時に炎を飛ばしていた。
　

無言で銀銃を両の手に。
その表情は、何時に無く厳しい。