「必要ネェから喋ンねぇのかもシれねェぞ？」

この前あったエンブリオ……えっと、イェジ、だったっけ？ミハウが連れてた子狐。
とにかくそいつが言ってたことが、どうも頭に残っていてしょうがない。
別にヴォルカン達がしゃべらなくても、あいつらの考えてることはなんとなく分かるし、特に不自由することはない。
村で、他のやつが連れていた精霊がしゃべるところも見たことはなかったし（長く外へ仕事に行ってるヤツのことはわからないけど）、これまでもヴォルカンがしゃべらないどころかハッキリと姿が見えないことに対して、特に何かを思うこともなかった。
でも、なぁ。
このところ立て続けにしゃべるエンブリオに会ってるせいか、なんていうか、うらやましいなぁ、なんて。
このところヴォルカンの姿が見えるようになったってのもあるけど。
いつか俺は、お前達の声を聴けるようになれるのかな、ヴォルカン。




※お借りしました。
　Eno.1195 ミハウ・クワイアトコウスキさん　イェジさん

どうやら、火蜥蜴（サラマンダー）を見たのは初めてのようだ。

お得意・・・得意技の事だろうか。

話を聞く限り、ピンチの時に力になってくれそうにない特技だが、大丈夫なのだろうか・・・　

袖の下から、女性でも扱えそうな小ぶりな拳銃を取り出してみせた。

消えた相手のエンブリオには面白そうに笑い声をもらし。

そこまで言ってから、アルトは何やら首を傾げて考えているようだった。