風の妖精界『リベルフィアート』にある研究室。　大妖精は、シュウスケに同行する火の鳥の妖精—ファダルコード＝ルジが手に入れてきた「トリニティバックル」の調整を続けていた。

3つの魔力を同時に用いる事の出来るアイテム、トリニティバックル。　使用できるようになれば心強いものではあるが、複数の属性の魔力を注ぐ実験を行っても、何の反応も見せないのであった。

ダークフェアリー…ローバルを統率し、妖精やエンブリオの魔力を狙う彼が作りだしたこの道具は、やはり妖精達の作製したフェアリードライバーのシステムでは上手く作動しない。　思いつく限りの事はしたものの、フェアリードライバーに正常に適合するには至らないようだ。

そんな時、メルンテーゼで出来た協力者たちの中から、こんな仮説を聞いたのだ。

「力を分け与える」妖精達のマスカレイドシステムと、「力を奪い取る」ダークフェアリーのマスカレイドシステム。

基となっている力が同じではあるが、その性質は全く異なるものなのだ。

音の妖精アメニア＝トール。大妖精が「大妖精」となる前から関わりのある妖精であり、今でも時々リベルフィアートに足を運んでいるようだ。

言いかけて、大妖精は気づく。

言うや否や、大妖精は実験室に飛び込んでいく。

ぽつりとつぶやくと、アメニアはその場を後にする。

そう言うと、周囲を飛ぶ妖精を見る。

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

アステカから送られる魔力で宝玉を作製し、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！