最初の漁は簡単に成功し、偶然ではあったものの饅頭型の生き物とアラビアンナイツなどと名乗る女盗賊と結ぶことができた。
これまでの結果や、今の利剣使隊の立場を考えれば、このまま順調に進むだけで、財団上層部にも認められてもおかしくないくらい私は上手くやれているはずだ。それなのにどうしてか不安で堪らない。

生まれてこの方、賞金首などになったことがないからか、一揆衆の当然のような賞金首への当たり方か、他の賞金首たちの警戒心か、機を伺っているであろう賞金稼ぎへの恐怖か、随分な力を持ちながら一揆そのものにも日和見態度を何食わぬ顔で取り続けるハルシオンたちが何を考えているか分からないことか……全てなのだろう。


書きかけのメモが続いている

◆賞金首についてのメモ　
・ボロ布の女の一派
暴力の塊のように見える。戦力外のように見える男は懐柔しやすそうだが、
一揆終結後のメルンテーゼに彼らの信じるモノは共に並び立つのかが問題。

・律法騎士団
トルラルールの過激派。バルバロイに次ぐ殺意と、どの一揆衆にも本来あってもおかしくないのだが、珍しいことに世界を変える意気込みを感じる。政治、治安、ひいては交易の安定ために律法は必要だが、財団のやり方にどれほど干渉されるかが問題。

・メルンストゥーラ
正体不明のエンブリオを用いるただのネクターハンターたち。人数が多いことが様々な意味で気にかかる。一揆の趨勢には関係がないはずだが、仮に一揆後に各地方領主の力が伸びてしまう結果になることは気をつけなければ。一揆後の政体は基本的には王政か民主政いずれでも構わないが、中央集権が望ましい。

・Oz
彼らいや彼女らか？の目的は現在不明。財団の障害にならないことを祈るばかりだ。

・狂った骨の生き物に率いられた小隊
ただの不死者ではないことは確かだが、森林で遠目に見かけたところ、単なる略奪者だろうか。
財団は人の柵を破った者とも取引してきた実績がある、私たちでも対処できるだろう。

・オズの無法使い
噂で聞く彼らの容貌と言葉からいって、危険人物が一揆衆に混ざりこんだとしまったというところが妥当か。

・回転寿司マヨネー's
手配書を見る限り、吸血鬼が混じっている。飢えているのだろう。
そういった分かりやすい者とはやり取りしやすいが、常にそうだとも考えられなくなってきた。

賞金首にもなれない豚を除けば、4人で行動している小隊はこのくらいか。
気持ちを落ち着けようと書いたメモで、かえって、不安が大きくなってしまった。今後のこともある。四日前から予定したものの準備を完成させよう。

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・アラビアンナイツ
ただ盗賊団の支援者を募るというやり方に驚かされたが
「勝てたやつだけがPKで負けた奴は豚」
この言葉通り見事に賞金首入りを果たした辺りなど、あのサムライよりも期待できる。

・饅頭型の生き物
きっと無害でおいしく食べられてしまうのだろう。私たちができるのは見守るくらいか。
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話しかけてきた男にシエラは怪訝そうな瞳をむけたが少し考え

うさんくさい……そう思いながらも快諾した

少し考えこむ素振りを見せるが「うん」と頷き少女は声高く言い放つ

笑いあっていられる　なんて前向きだな〜とは思う。

目的がある人は、笑える未来もあるんだろうな。

私は・・・。