………。


調査報告：未報告ファイル

　夏の夜のイベントとして肝試しに参加することになった。
このイベントはどうやら、特定のルートを散策する人と、それを脅かす人に分かれて行うらしい。
私は驚かす側として参加することになった。
戦闘するために集まった人が多いこの集団の中で、どうしたら驚かせるのか、そればかり考えている。
まずは肝試しに関しての情報を集めることにする。


報告書をまとめているうちに、緩やかな光を纏ったフェアリーが辺りを飛んでいることに気付いた。
フェアリーはひどく朧げな様子で、はっきりとその輪郭を捉えることは出来なかった。

私の周囲を飛び回っていたフェアリーは、やがて私のインクに手—と思われるもの—をインクに浸すと、書きかけの報告書に何かを書き始めた。

　　　K ? ? U ? T E

途中の文字は読めなかったが、何かを知らせたいのであろうことは分かった。

この朧げなフェアリーは、私に何を……
はっきりとしていない様子が関係しているのだろうか……

少し考えてから顔を上げると、そこにフェアリーは見当たらなかった。


この間から何かがおかしい。
それとも、この世界ではこれが普通なのだろうか……

かばんから調理用包丁を取り出す—

目が少し輝き出す。家に帰りたいとは思いつつ、冒険もしたくなるのはやはり男の子だからだろうか。

丈夫でよかったと困ったように笑って。

話を振られ、きょとんとする。

と、ちゃっかり宣伝して。

黙ってプリケさんの意見を聞き

＞困った顔で考え込んでいる…。

＞思いつかなかったようだ…。

＞ぶつぶつと考えこんでいる…。

首輪付きの犬獣人がふと通りすがりにあなたを見た。

微かな血の匂い、妙に隙の無い動きは、まるで…

　少女も全く不要とは思いつかなかったようで。ちょっぴり羨望の眼差し。

　そっかー、水弾くと楽そうだなーとか考えてそうな顔です。
それはそれで、体毛周りの問題や悩みも多そうですが……

　なんというか、しにそうなこうけいです。そう真顔で続けました。
それくらい圧倒される、とでも言いたいのかなんなのか……

　語尾が上がる事無く、言い切りました。えいえいおーと気合を一つ発して。

遠音はちょっと不細工なずんぐりした鳥のようなものに姿を変えた。

フォノンは遠音に姿を戻した。