あー。こちらシシカ。メルンテーゼの一揆進行の状況連絡だ

はい、こちらラクベル。エルタより受信します

んむ、こちらの方では生命の華を所持する事になる者の同行者が私以外に３人まで一緒にいけるということだったが、無事、３人集める事が出来た

なるほど、それはいい知らせです。どのような方が集まったのでしょう？

まずはフィルン君だな。トレーラーに乗って一揆に参戦してくれる仲間…

フィルンさん！？シシカさん何いきなりセルフォリーフ三大美女の１人を連れているんですか！！このナン…

あー、続けていいかね？それと、魔法の弾丸を駆使して戦う知的な女性、マリナ＝ルイーズ＝スペクトラ君も…

マリナさんですって！？セルフォリーフ三大美女２人目確保してるとかなにその幸運、僕にも分けてくださいよマジなんなんですか貴方はギルドの仕事がなんたるか分かってて組んでるんでしょうねそれは！！ナンパとか許されないですよ！！

……ふー、なんかこの報告で君の言う三大美女とやらをツモったら君がこちらに乗り込んできそうで怖いのだが

余裕で乗り込みますよ、はあ、僕の妖刀・朱雀も血に飢えて…

なんか今の君が言うと冗談に聞こえないからやめてくれたまえ

そりゃ冗談じゃないですし

最後に、アピス＝レトラベル君だ。彼女は確か…メルンテーゼの者らしいから流石にツモってはいないと思うが

ええ、ツモってませんね、これでちかげさんの名前が出たら裏ドラのっけて突き返してやりましたよ、喉元を

ラクベル君どうしてこんなめんどくさい子になったんだ！？

ああうん、まあそういうわけだから、安心して欲しいというかむしろ私が安心するところだが

ところでその方はどのくらいの年の女性で？

年は分からぬが、ミリー君と同じくらいだと思うぞ

ああ、なら大丈夫です、頑張ってくださいね！

えーと、うん、同行者についてはこんなところだが、次にエンブリオについて話していいかね？

ああはい、確かメルンテーゼの生命体を使うことにより、技の習得や能力の向上といった事ができる、そちらの世界の戦闘法則らしいですね

うむ、そういうことになる。後、やっているのは我らだけらしいが…まあそもそもＰ−ＢＬＯＯＤの持ち主などレアすぎて試みる人などいないといったほうが正しいが

僕らの血をエンブリオに混ぜる事により、僕らに似た性質のエンブリオとして活動できる

そういうことだな。実際今の時点で私とレッド君、そちらの部隊からはグラスタ君とレシチア君に協力してもらっているな

エンブリオを育て続けると具現化が可能と言う事ですから、もしかしたら僕らのような姿、思考を持つエンブリオに育つ可能性も…？

無いとは言い切れないな

と言う事はつまり…

僕が！フィルンさんやマリナさんにいいところを見せられる上に、護れるかもしれないということですねテンション上がってきた！！

あ。ああ…

あ、アピスさんもついでに護りますよ！任せてください！！

ああ…うん、報告は以上でいいかな？

はい、僕らのブラッドサンプルが欲しければまた連絡してくだされば送りますので、遠慮なく言ってくださいね

うむ、了解した

……次はサーディ君に取り次いでもらおうかな……

あ、シシカさん、すみません、忘れていた連絡事項が

ん、ああそうか、なんだね？

いえですね、僕とシシカさん、サーディさんとスピネルさん、この２組のＰ−ＢＬＯＯＤ能力がかぶるので、何か名前をつけておいた方がいいかなと

ふむ、サーディ君とスピネル君はそれぞれ、速と迅でどうかな。迅速、どちらも速いということを表している文字だ

なるほど、それでいいでしょうね

そして私たちか……

そうですね、僕が焔、シシカさんが炎でどうでしょう？

ほう、ホムラも炎と読むことが出来る。まさに、二つの炎の名にふさわしい判別方法ではあるな

ええ。シシカさんはパワフルな炎、そして僕はテクニカルな焔です

う、うむ、そういうことならいいんじゃないかな

はい、ではそのようにしておきますね

ふむ、ではもう報告忘れはないかね？

ええ、大丈夫だと思います。あ、けど最後に一言

うむ

僕らのギルド、基本的に部隊長格の人は皆炎使いなのですよね。何故そうなのかは分かりませんが…でも、僕の炎とシシカさんの炎が、ギルドの中でナンバー１とナンバー２だと思っています

…

負けない、負けませんよ、僕らは。ですよね？

当然だ。私が向かったのは要するにそういうことだからな

なら、安心しました。それでは今度こそおやすみなさい

ああ

…うむ、こうしたやる気を鼓舞するなにかがあるなら、また話してみるのもありだろうな

誰だはぐれないようにって言ったのにはぐれたのは！私だ！！

と言ってはぐれてなくてよかったな、うむ。

まあ軽口はこれくらいにして、トキサメ撃破といこうか。ジェイ殿に新調してもらったこの武器があれば、きっと大丈夫だとは思うがな。

思ったより大所帯になったよね。
まあ、エルは猫に戻ればスペースは空くし、まあゆ達は実体があってないようなものだから、車の上にでも乗れば大丈夫だけど。

それにしても、フロワラは病弱なんだ。

よければ、だけどさ。薬の調合とか手伝えるなら教えてくれないかな。
作れるのがレッドだけじゃ、レッドが動けないときや別行動取ってるときに大変だと思うし。

あ、一応私は錬金術基礎概論と、初級応用技術は習得してるから、まったく手伝えないってことはないとおもう。

私にとっては異世界の薬になるわけだから、どこまでこの知識が役に立つかはわからないんだけどね。

でもレッドは薬以外にも作戦立案担当なわけだから、仕事がないわけじゃないとおもうよ。
よく零落とシシカと集まって進攻方面の相談に行ってなかった？

ああ、ラクベルの。
名前が変わってたから気付かなかったな。

ミリー・ブロッサムとは直接会ったことはないけど、ラクベルからそういう名前のメンバーがいるって聞いたことはあるね。
だから覚えてたのかな。

それにしてもそうか。ラクベルは役目を果たして帰還したんだね。
彼は元気にしているのかな。あの若さで一部隊を率いるとなると色々苦労はしてそうだけど。

まず一つ目からいこうか。
魔法と超能力の違いということだけど、これはエルタ・ブレイアの魔法を知ってるわけじゃないから、『答えられない。』

なので私が生まれた世界での話になるけど、この場合はまず魔法と魔術の違いを話さないとね。

……少し長い講釈になるけど、大丈夫かな？

まず私の世界では魔法と魔術は定義が違う。他の世界では魔法＝魔術となっていて驚いたものだけど。
魔法っていうのは魔術という技術を行うための理論。数式や方程式といった法則で、マナを扱うために作られた数学・化学に続く学問を指す場合が多い。
対する魔術は、その魔法という理論・法則を使って作られた設計図、魔力による構築物、それを振るう行為を指す。

前者を研究し、新たな法則を見つけ広げていく者を魔法使い—メイガスと呼んで、後者のように実用化を目指し技術を磨き、運用するものを魔術師—マギウスと呼んでいる。

ちなみに私は後者のタイプ、マギウスにあたる。
自己紹介でも魔術師と名乗ってたとおもうんだけど、それにはそういう意味合いもあってね。

だからラクベルのいってた「魔法というものを使える者」は惜しいところかな。

二つ目の話は……そうだね、魔術統制機構はそもそも異世界と関わりを持つのに慎重になっている組織だから。
今回のような身内に争いに見えるものには、手を貸さないだろうね。

まあ、私も一応実践派のマギウスに当たるから、こういった荒事向けの訓練も受けてるんだけど……。
ラクベルからは聞いてなかったかな？　私がセルフォリーフに行った理由の一つに、これの実践テストがあってね。

そういうわけもあって、私は学者は学者でもフィールドワークを主とするタイプなんだ。

そして重要度という意味でいくなら、私はさほど重要ではないかな。
機構からは異端として見られてる魔術師だからね。あちらとしてはさほど重要ではないと思われてるかな。

……と、ここまで話しておいてなんだけど。実は私、魔術統制機構からは抜けててね。
今はこのエルのいる組織に客分としてご厄介になってる身分だよ。

まじかるがーでんっていうのよ。

だから今回は別件。一揆の増援要請にマジカルガーデンが応えて、それを聞いた私が名乗りを上げた感じ。
本来は別の人が来る予定だったんだよね。

マスターとそのおともだちがだいひょうでくるよていだったの。

お忙しいのか、後継の成長を気にしているのか…。
いいえ、大丈夫ですよ。なんだか大変そうですから。

車…、乗り物ですか？
確かに、そのままで戦うよりは安全なのかもしれませんが…、張り付かれたら大変じゃないですか？
…というか、誰が運転を…。

そうですね。私は水や氷の影響をよく受けています。
でもどちらかというとメインは剣の扱いの方で、普段は大きな剣を使って日々鍛錬しています。
魔力を一緒に使って振るわないと、私でも難しいです。

超高校級？……　高校っていうのが良く分からないけど、踏み込みまくっているのね？
でも、踏み込み過ぎると後々引けなくなる戦いが待っているのよ。
戻れるのなら今のうちに戻ると良いわ。

賽の河原の石積みって・・・確か無限に続き壊される奴よね？
無限に喜劇をやるという事なのね？　スゴイわねぇ。スピネルとレオは

えっと、パンドラの箱が空虚という事は希望がそのままあったという事ね？
結構パンドラの箱って色々な諸説があるからなぁ・・…

二足歩行を忘れた？……よく言っている意味が分からないけど

ふむ、ぷろれすらー。興行の一種かな。防具をつけていないのは身体一つでの戦いを魅せる為か、その鍛えられた身体も頷ける

騎士道を志す…一重に騎士道、と言っても文化によって違いがあるからな。その者の中にある騎士像がどのようなものかわからないが、あくまで一つの例…私の故郷における、騎士の行動模範としてなら話せるかもしれん。

そんな難しい話ではない、求められているものは主に３つだ。

一つは武力。外敵からの脅威に立ち向かう為の力。民を守る為の力。
私の故郷は外敵が多くてな。領内の治安を守る為に、戦う力を持たない者の代わりに戦う為に、騎士団が存在した。強くなくては外敵に対抗出来ないからな。強ければ強い程、良き騎士とされていた。

一つは信念。何の為に力を振るうか。力の使い道を違わたない為の心。
そして最後の一つは…愛。
強い力を持てば持つ程、その使い道に気を付けなければいけない。普段自分達を守っていた力が、自分達を傷つける可能性があると思われれば…私達の存在は恐怖に変わる。恐怖は争いの火種になり、悪循環に陥ってしまう。親切、寛大、礼節、無私…寧ろこちらが騎士道と呼ばれるモノの本筋かもしれないな。

そうか貴様らが民を苦しめる敵か……。

ネイキッド・ブレイブ第三部隊隊長、シシカバブ・ダイバード、参る！！

イヤッハー！戦争だー！

テンション高いですね……。

貴様の不運、それは私に出会ってしまったこと・・・・

悪は滅びる……いや、滅ぼさねばならぬのだ！！

私たちは登り始めたばかりだ！この一揆坂をよ！

次回作には期待しませんよ？……ああもう。

・・・・・すみませんでした、ちょっと調子乗ってました・・・

これで・・・・・許してください・・・・・

あ、もしかしてここに用ですか・・・？地下牢への隠し通路ですけど・・・。

私は・・・・・あっちなので・・・はい、それじゃ・・・・・

ほう、役に立つものだといいが。

これは……なんでしょうか？

流石に一揆をする仲間をガンガン轢いて行くわけにはいくまい、スピネル君きたまえ。

はいはーい。

私が呼んだのはスピネル君だ、君は下がっていたまえ。たまには他の者にも経験をつませねばな。

そんなー、いやまあ楽できるからいいっすけど。

なんだ茶番は終わったのか。ではいくとしよう。む。銃か。いまだ扱いに慣れぬが…。

操作は簡単、引き金を引くだけっす。

…。

どしたっす？

アウトじゃないかなと思うのだサガフ…

わーわーわー！！

イヤッハー！戦争だー！

テンション高いですね……。

それではみなさん、参りましょうか？

——それではお手合わせ、よろしくお願い致します。

Q.E.D.……我の強さ、証明終了。

私たちは登り始めたばかりだ！この一揆坂をよ！

次回作には期待しませんよ？……ああもう。