アルファは、ここに来てからいくつかの依頼をこなした。
仲介したのは私だけれど、多くの依頼人が、仕事の際に言葉を交わしてくれるから、
アルファの会話の量は、セフィラータに居た頃よりもだいぶ増えていると思う。
作製ならばアルファも嫌がらないし…こうして仕事を続けていけば、
アルファの引っ込み思案も、少しは改善できるかも知れないわね…。

セフィラータの人々が荒れていたとは思わないけれど、それと比べてみても、
メルンテーゼで出会う人たちは、気持ちの優しい人が多い…気がする。
私も過剰に警戒しすぎず…次にヘッセが来た時は、メルンテーゼの素敵な所を、
きちんと案内してあげられると良いな…。









ボクとコロは、花火大会の情報を仕入れるために街にやって来ました。
河川敷の広場で、しばらくやってるみたいですね。
チラシの張り紙を見つけたボクは、
いつの間にか居なくなっていたコロの匂いのする方に向かいました。

拠点に戻ってすぐ、姉さんにアルファさんを連れ出してもらいました。
コロが貰ってきた花火は、けっこう量があります。
アルファさんに、どれが良いですか…と差し出すと、怪訝そうにしながらも興味はあるのか、
視線は花火の上を行ったり来たりしています。

気がつくと、またコロが居ません。
匂いはするから、すぐ近くに居るはず…

「ふはははは！見るが良い人力打ち上げ花火！３！２！１！」
「にゃっ！？」

＼バッ／

突然、近くの岩から高く飛び上がり、両手に持ったススキ花火をぐるぐると回すコロ。

花火も大体やりつくしましたけれど、ちょっと離れた所では、
まだ姉さんとアルファさんが線香花火をしています。
コロはすぐに火を落としてしまうので、残った線香花火は２人にやってもらう事にしました。

コロの盾にならないと宣言したミルをびっくりした目で見る。

言いながらユキナの後ろに隠れたり周りを回って逃げまわっている。

小川の近くにある草むらを掻き分けて少女が現れ、一つ頭を下げました

ユキナさんと二人を見比べて