革命に作法というものはない。ノウハウもなければ王道もない。しかし原則論としての命題はある。つまり、《戦いなしに勝利はない》といったたぐいの。

前もってありかのわかりながら大廊下の進行はずいぶんと遅れた。今も遅れ続けている。停滞はいつか打破されなくてはならない。いつのまにか革命は掠奪の楽しみに変わりつつある。方々の王兵を斃し、金品を巻き上げ、強い者を迂回し、奪えるところから奪う。革命の一同はたしかに迂路を通じて強くなりつつある。しかしその迂路で肥え太るやり口はどこか決定的なところで支配者の身振りに似ている。兵舎の攻め方、小川の攻め方を耳に挟むにつけ、私は頭痛がする。有利さはわかっている。資金がどれだけ重要であるかも。それを得たいという欲望は私にないこともない、しかし、《しかしその攻め方が革命をどれだけ展開させるのか？》。欲望を問いが引き裂き、頭痛が深まっていく。

銃弾を数える。効くかはわからない。右手の指に仕込まれたエンブリオの毒を確かめる。侵食できるものかわからない。しかし、私にはどうしても戦うことのほうが好ましく思われるのだ。戦うこと、あるいは、挑むことで手を汚すこと。

少し離れたところで気にもたれかかり。
女の銃に手を掛ける仕草に、小さく反応して。

左目を抉り出し、薄く淡く青く光る鉱石を掲げ。

小さな陶器の指で、青髪の耳長を指さして。