冬ですね。
ちょっと前まで換毛期だったので、グルーミングする度に抜け毛が凄かったのです。
抜け毛は集めて毛玉にして、ステファニーの所に送りつけていたのですが、今回は量が多かったので、リオンが直接赴く事にしました。

別の世界に来るのは久しぶりです。いえ、たかが数年なのですが、久しぶりと感じてしまうのは、リオン達の弱体化の表れなのでしょうか。まあ、それはいいのです。
確か、リュウと一緒に潜り込んだあの島は消えてしまったそうですが。メルンテーゼはなんとなくあの島と雰囲気が似ています。ノリとか。


ステファニーを発見しました。
巨大化して暴れていました。
どうしましょうか。

とりあえず、毛玉を固めておきます。
それから考えるのです。

青年は深くため息をついた。

ミクネに引っ張ってこられた青年は鍋パーティという内容に不満気……というか不安げな表情である。

まあ当然とも言えば当然だろう。
つい最近、（仲間の作った手製鍋とはいえ）鍋料理には酷い目にあったばかりである。
あの時ぶっ刺された（銃弾が見事に入った）場所は今は癒えているとはいえ、
なんだか気のせいか地味に痛い気がしてならない。


青年は苦い顔でミクネを見た。
彼女の熱い（食欲という）想いに負けてこうして付いてきた訳だが。

今は鍋料理とかよりも重要な事があるのだ。

ポツリと呟きつつ、ドレス姿の青年は顔を覆った。

その身に纏うのは、ドレープが多めの白も鮮やかなドレスである。
所々にある青のリボンのアクセントも悪くはない。
女性が着ていたならば。

本来はミクネ用に用意されたドレスだったのだが、
「動きにくいからスーツがイイ！」……と青年用に用意されていた服を
横から彼女がかっさらった挙句、もう他にスーツの予備がないと言われての苦肉の策であった。

・・・・・・・

パーティに来たミクネとクライを見るなり笑顔で迎える。

二人の格好に何か違和感を感じる。