仲間と合流する、直前の事だ。
　合流する手筈になっている場所で落ち合うまでは、一旦パーティーを解散する事が、通例となっている。
　ディアリアドは、呪術師の後ろを歩いていた。
　装備を整えるにせよ、知人に手紙を送るにせよ、合流までは各自で自由に動いて構わないのだが、
ディアリアドは、常と変わらぬように、呪術師の先導に従う。
　山岳である。
　旅慣れない者ならば追いつけないくらいの歩調には、もう慣れた。

呪術師は、いつだって、平地と変わらぬような態度で、森であろうと水辺であろうと、しゃなり、しゃなりと歩を進めていく。
　杖を付く音。一人分の足音。もう一人と、幾つかのエンブリオの、追従する気配。
　どんなに足場が悪かろうと、呪術師の態度は変わらない。
　今だってそうだ。緩やかな歩調に合わせて揺れるローブの裾が、ふいと向けた指先と共に、翻る。

　何処に行ったって、呪術師の少年は『行き先』を知っている。

　まるで、何度か通った道かのように、分かれ道の片方を指差しながら、少年は薄っぺらい微笑みを此方へ向ける。

　例えば、手の届く範囲の枝を振り払う仕草であったり。
　例えば、泥濘んだ地面を、わざと爪先だけで叩く足取りであったり。
　例えば、撫でるような手付きで道端に咲いた花を手折る動きであったり。

　ディアリアドは、呪術師の一見無意味に見える行動を、『見逃せない』。
　ディアリアドは呪術師ではない。その行動の本質的な意味は解らない。だが、眼が追ってしまう。

　だから、ディアリアドは、呪術師が手折った花と共に捨てた、
蝋封をした手紙を、何の気も無しに拾い上げた。

　結論から言えば、ディアリアドは、その手紙を開いた。
　彼の眼にも、その文字は読む事が出来た。

　二言、三言、契約したエンブリオと交わす言葉。
　数歩、足を早めて、細い背中に緩く宛てた拳。

　差し当たって言いたい事はひとつだった。

　呪術師は、振り返りながら、きょとんとした顔を見せた。
　まるで、常の笑顔を貼り付け忘れたような、そんな顔で、

呪ばつん術師はざりざり　ディアざりざりざりっリアドにざり、ざり、ざり、向かって　　口■ばすんっ■

■ざり、ざり、ざり、ざり■ざりざり■■■ざりざり——————ｚ＿＿＿＿＿＿　　



■■






『■■■た』






『み■■た』































やっと











わた　し　の






やっと











みつけた




























みつけた

みつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけた『助けて』みつけたみつけたみつけたみつ『許さない』けたみつけたみつけ『許して』たみ『呪ってやる』つけたみつけたみつけたみつけたみつけ『逃がさない』たみつけたみ『何度でも』つけた『呪っ『何度でも』てやる』みつけたみ『呪ってやる！！』つ『許してはいけない』け『殺さな『今『何度『いい天気だね』だって』すぐに』いで』たみつけたみつ『殺してやる』けた『お前だけは『何『躊躇『いくらだって』わ『呪ってやる』ない』一つ』』みつけた『許さないで』『や『三つ目』めて』みつ『苦『呪っ『ねぇ』てやる』『償え』『お前だけは！！』しい』『『助けて』痛い』けた『はやく』み『何『はやく』『『憎』この『呪『灰『烙印』色』詛』痛みも』も』『戸惑『目星』わない』つけたみ『許さ『九つ目』ない！！』つけたみ『殺し『宵『三つ目』闇』て』つ『今『五つ目』日は』け『七つ目』たみつ『来ないで』けたみ『見ない『怨嗟』で』つ『抗え』けたみつ『許さない』けたみつけたみ『監獄』『この腕も』つけた『許さない』みつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつ『許さない』『お前だけは』けたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけたみつけた！！！！！！