鳥をグリルにする。
こちらの世界の世界律は良い。あれだけ盛大に火を熾しても、延焼しないのだから。

まあ私は既に、多少の熱など関係の無い身体になってしまっているのだけれど。
それでも度を越した熱は害となるのが、何とも半端だ。
今でこそ、人間らしさを未だ残していると、好意的に受け止めてはいるが。


ともあれこれで、障害となる門番（の、力の及ぶ者）は粗方倒したはずだ。
これから先は、私が形だけでも元の能力を取り戻すのが早いか、それとも、手詰まりと為るのが早いか・・・。
　

少女二人と、半透明の青年とを交互に見比べている——

自分の胸に手を置いて、息を吐き。
アーシェさんが魔力や呪いを感じとる力があるなら、影にひしめく無数の蜘蛛の幻影を見るかもしれません。

笑顔でそんな話をしていたら、急に指をわきわきさせてきたアーシェさんに迫られて。

じわじわりと後退。
両手で自分の体をかばいながら、慌てて言い訳をする弱いアムルです。

寂しそうに笑うアーシェの話を聞いて

「…ともすれば、アーシェさんに甘えているのかも知れません…強く優しい女性というのは私の理想像でありましたから」とも言葉を続ければ、もっと確りしないと、とばかりに数度頭を振ってみせて

振る舞いの部分については、折り目正しくとばかりに接していた様子だったが、思いも寄らぬところからの切り口に、狼狽えた様子を隠せずに、あたふたして

　
　　　　　　右手に、魔術力場を形成した。

　
　　　　　　髪を直し、静かに笑った。　

それでも、漂う空気に深いそうな表情をにじませる。

ザッザッザッ（←マップを切り替える音）

ここの空気は酷く淀んでいるね、と一言残しその場から去っていった——

言うや否や、材料をまとめてレンジに突っ込んで……

『ちーん』

なんと、不思議な事にちゃんとBLTサンドになっているではないか。