未だに王の居場所すら掴めない一揆参加者達。
よくよく考えてみれば、オレ達は王の名前しか知らない。
確か名前は『パラダイス』だっただろうか。
随分ふざけた名前だと、最初に聞いた時は鼻で笑ったものだが…。
今ではその名前すら確かなものか怪しい。

　情報源はラルフだったか、ルリアンナだったか。
どちらにせよ、一揆の首謀者たる彼らをして、王に関してその程度の情報しか掴んでいないという事だろうか。
ここは一揆側の無能さを笑うよりも、王側の情報統制の厳密さを褒めるべきだろう。

　しかし、解せない部分もある。
幾らやる事成す事、全てが出鱈目だとしても。
一揆を起こされる立場だとしても。
仮にも世界の頂点に立つ『王』である者の情報が少な過ぎないだろうか。
『彼』なのか『彼女』なのか、それすらも分からない現状だ。

　
ノラえもんに鼻を擦りよせて親愛の情を示している。
すっかり気を許しているようだ。