抱き上げ、膝に乗せたミオの身体は、前にそうしたときよりもずっと軽くなっています。

そう言って、初めてそうした時のように、静かに目を閉じるのでした。
そのあまりに静かな様子は、死んでしまっているかのようにも見えますが、
きちんと確認すれば生きていることがわかります。

しかし、たったの一晩でこの調子。
夜毎こんなことを繰り返せば、限界はすぐにでも訪れるでしょう。
人と同じように暮らすには、まだまだ課題が多そうです。


　+ + +


そして、魔力はあまり回復していませんでしたが、とりあえずは動けるようになった頃。
姿見に映った、ワイン色のケープを羽織った自分の姿に目を丸くします。

首元のポンポンをもふもふしたり、頭のカボチャの飾りを触ったりしながら。

何かを思い出すように、少し考えるような仕草を見せつつ、

そう、普段は到底見せないような、底抜けの笑顔を見せるのでした。

ミオの羽織ったケープは、彼女の魔力によってほんの少しだけ黒っぽくなったように見えます。
部屋のうさぎのぬいぐるみのように真っ黒にならないのは、ミオの魔力がとても弱まっているためでしょう。

そして、部屋の惨状を確かめるように、周囲を見渡しつつ。

そう言って、散らばった物や瓦礫を拾い始めます。