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———また、夢を見た。



どこかの森の奥深く、人が誰も近寄らないそこに一人の男が住み着いていた。

男は森を突っ切る街道を通る旅人を襲っては、身ぐるみを剥いで生活していた。

そんな噂を聞きつけてか、そのうち森はならず者どもが集まるようになっていた。


ならず者どもは徒党を組み、標的を旅人から商隊へと変えた。

いつしか男とならず者どもは、黒の森の山賊団と呼ばれ近隣の村や街で恐れられる程になっていた。

中でも主格の男はシュバルツと呼ばれ、山賊団の中でも特別な存在として扱われていた。

本来の名前がちゃんとあったはずだけれど、男は気にせず呼ばれるがままにシュバルツとして存在していた。

森の奥の男の棲家は、旅人や商隊から奪った金品や食料に溢れていた。


しかし、男は満たされずにいた。そもそも、自分が何故この森に居るのだろうか。そんな事すら男は分かっていないのだ。



初めは、通りがかった旅人に尋ねていた。しかし求めていた返事は無かった。

そのうちに、髪が伸び、服は破け、荒々しい容貌へと変っていった。

そうすると旅人に声をかけただけで逃げられるようになってしまった。

男は困ってしまった。このままでは、今まで以上に埓が明かない。

男は決意した。こちらにその気がなくとも、恐れられてしまうのであれば、その通りにしてやろう。

訪れた旅人を脅し、男はその荷物の中から自分が何者なのか、その手掛かりを探す事にした。

初めは、本当にそんな些細な事だったのだ。


気がつけば男は山賊団の頭領として近隣で知らない者は居ない存在となっていた。

だが、どんなに男の悪名が広がろうと、男は自分自身を知らないままであった。

そして、その答えを求めて商隊を襲い、憲兵と戦い、時には人を殺めた。



傷つけ、傷つけられ、奪い、殺し、幾多の血で手を汚そうとも、男は自分自身を得られることはなかった。


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「随分と魘されてンなア、大将。」

「まア、無理もねエか……」

「だけどよオ、アンタは思い出さなきゃいけねエンだぜエ？」

「でないと、俺も困ンだよ。」


「……ま、直ぐにとは言わねエけどなア。」

（くすくすと微笑みながら、口にポッキーを咥え

　　　△　　土　▲
　　（　㊤　皿　㊤）　　がしゃーん
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　／│　　塊　　│＼　　　　　　　　　がしゃーん
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