ENo.170 シャーク・ド・深浮渦

［前回の New！］

~~中の人が腕を痛めたぞ！~~
中の人なんていないから覗かないでよスケベェ…
闘技ネタ？五木さん崇めたかっただけ☆
ホワイトデーイベントだったねー
二回目のホワイトデーは幻想ェ…
つまり、早めの四月バカ！これだよ！
お菓子は二個貰った！ありがとー！
「んじゃ、結婚すっか」「んだ！」
大妖精とかブッ飛ばしてハハンハーン
もうすぐ街だよー

［わかめGetに向けてステンバーイ］

鮫汰、魚生初の結婚
「マジ？」「マジ」「いや、ネタ？」「ネタだけどマジなの」「わぉ」

「さめた、うえのあおりみて、おもったんだけど」

鮫が日記ページに張り付きながら、画面を見ているうにへ言いました。
うには、パソコン内にいる鮫に白目を向けて返事をします。

(どうやって入ったんでさぁ…)
「サカナのジンセイだから、ギョセイってあんちょくじゃない？」
「人生と書いて、ツッコミ待ちも考えたらしぃんでさぁ」
「…ああ！ツッコミこなかったバアイを、よそうしたのな」
「ツッコミすら諦められてる日記なんで…」

結果ページをムッシャムッシャ食べながら、鮫はパソコン画面から出てきました。
まるでエルム街の悪夢です。でも、鮫に鈎爪はありません。
しかも、否応なく現実カウントされてしまいます。
フレディの数え歌も呆れちゃいます。

「んめぇ〜」
「眼がヤギになってら…」

この日記がかじられたようで、どうも一部が足りない気がします。
けれ　、そん　　　　　　にして　　　の　　。　　　　、　　。

　　　　　宿　　　で、長い・読めないを言われたんじゃ」
「フツーにふるまってるだけじゃん！」
「…食いなすったのは、この部分か…！」

不服に感じたら鮫は、思わず自分の背ビレを取りました。
あなたも私も○っきー！という効果音が走ります。

「さみゃっ、いきおいあまってとっちゃった」

不本意の解体だったようです。悔しくて髪の毛食べるのと同じ感覚でしょうか。
鮫はペトペッタンと、取ったヒレを元に戻しました。
まるでマグネットです。熱情が燃え広がったりはしません。
うにはいつもの光景から視線を外し、自分の腕をジッと見つめます。
鮫の言葉が、脳内を過ぎりました。

『さめたのためにはたらいて、さめたのためにしぬんだよ』

間違えました。
押し売りジャイアニズムでした。

『うにだって、おなじようになってるよ？
いくらでも、サイセイするカラダだよ。おまえ、トクしたな』

(ぼくちゃんも、出来るはず…多分)

鮫と同じ身体ならば、自由に姿形を変えられるのでしょう。
たとえ顔を縦に割られたって、プラリアのように一部再生！顔が二つ！
…なんて、ギャグ補正のキモイ行為で返すことさえ可能になっているのです。
けれど、うには身体を変化させる事が出来ません。
理由は単純で、体の使い方をまったく理解出来てないからです。

「…鮫汰の旦那ぁ、どうやって身体を変化させてんでさ」
「さみゃっ？うにったら、スッゴイいまさらなシツモンだなー！」

鮫はうにの頭の上にてちあがると、小さなヒレでうにを叩きました。

「ぜーんぶ、イメージ！おっきくなりたかったら、そのとーりに。
ツブされてもいきたかったら、しなないってイメージ！
ふえたかったら、ふえたいってアタマのなかでおもえばいい。
ねがえば、だいたいデキる。ねっ、カンタンでしょ？」

簡単かはともかく、鮫にしては意外とまともそうな事を言っています。
それでも、うにには正確なイメージが浮かびません。
頭の上には？マークがいっぱいティコンティコンしてます。

「オマエ、そーぞーりょくないな…」
「今までのワニ生に、そう必要なかったんでさ…」
「しょーがない、さめたがレクチャーしてあげよう！
あとでカネはらえよ！なかったら、ライセもさめたのドレイね」
「エッ」

払える、という言葉は求めていません。

鮫は口から風船を出して、ぷうぷう膨らませました。
緑色の、コロリと丸いゴム風船です。薬局や薬売りから貰えた、よくある風船です。
それをうにの前に転がして、よく眼に焼き付けろと言います。

「まずは、フーセンをみるの！
よーくみたら、めをバチッとつむる！アタマでフーセンをえがく！
で、フーセンをイメージしながら、じぶんのカラダとフーセンをあわせて、
カラダがフーセンみたいに、まるくなるのをそーぞーしてみ！」

今のセリフで、何回フーセンと言ったのでしょう。
うには言われた通り、頭の中で思い切り、めいっはい想像しました。
自分の姿と風船を交互に浮かべて、身体が風船に沿ってぷーっと膨らむ様子を…

「…わにゃあっ、やっぱ無理「まだカップメンもできてないわ！」ワギャア！」

ばしこーんっ！！

うには、思い切り叩かれてしまいました。
丸い鮫のどこから、そんな力がと思うくらい、力強く攻撃を喰らいます。
地面をのた打つうにですが、踏ん張ろうとしてもうまくいきません。
手が、足が、空を裂いてばかりです。

「とまらねえぇ！」
「あたりまえだろー、まるいんだから」

そうなのです。
うにはいつの間にか、ちゃんと体が丸くなっていたのでした。
デフォルメされないリアルワニのまま行ったので、かなり不格好ではあります。
すぐに元の体をイメージすれば戻りますが、とっさに出来ないのが生き物。
泡食っている間に、鮫がうにへ飛び乗りました。

地獄の始まりです。

「さゃーっひゃっひゃ！さみゃみゃみゃみゃ！」
「うぎゃああ！めがまわっ…あァアー！」

サーカスといえば、大玉乗りです。
空中ブランコじゃね？とかいりません。
誰が何と言おうが大玉乗りです。…ですったら。
うには、まさにその状態に陥っていました。鮫の下で転がりまくりです。
空気を吸って球体になったわけでは無いので、口を開いても意味がありません。
うに転がしをする鮫は、キャッキャとはしゃいでいます。

「ころがれーい！さみゃみゃみゃ！」
「ウッ、ウワニャアー！！」
「ウワニャアー！！」
「ウワニャアー！！」
......
....

鮫が遊びに飽きて、イタリアなお風呂漫画を読みはじめる頃。
うには、気絶したまま白目を向いてビクンビクンけいれんしていました。
三時間近く転がされていたのですから、当然の結果です。

「うに」
「………」
「おーい、うにー！」

バッカルコーン！

華麗なストライクをキめたボウリングに近い打撃音が、辺りに響きました。
うにの頭には、16\x87dハンマーがめりこんでいます。
ついでにクリオネも飛び出しました。鮫のハンマーは海洋生物も生み出します。
普通なら、見ちゃいけないよ！ぐらいの凸凹が出来てしまいますが、
ギャグなので、タンコブで済みます。
しかし、叩かれた顔面そのものがタンコブというのも、ちょっと不気味です。

「ど…どうかしたんでさ…？」

タンコブが喋ります。
鮫は地面へ16\x87dハンマーを投げると、空中にのの字を書きました。

「さいしょのほーに、あったけどねー」
「へ、へえ」
「ちょっと、けっこんしてくるわー」

宙に書かれた『の』は、ガロンガロンと音を立てて落ちます。
どうやら、実体化しているみたいです。

「ね、ネタじゃなくて、ガチですかい？」
「そーなの。くいつくわれつのカップルになるの！」
「持ちつ持たれつじゃあ無いんでさぁな」
「くわれるがわだしな！で、ちょっとしこみをてつだってほしーのよ」

うには丸く膨らんだ体のまま、言葉の違和感に口を開きました。
『あ？』と疑問まみれの『あ』が飛び出します。
ガチャンガチャンと、文字が下へ落ちていきました。

「したく、じゃないんですかい？」
「ちがうの、しこみ！あとでつかうの」
「…いまいちピンときやせんが、ぼくちゃんは手伝いやすよ」

その結果が、これです。