ENo.170 シャーク・ド・深浮渦

［前回の New！］

貴方と合体したひ…
どう考えても胃袋合体ですが
あっ、闘技の話ですよ
前回のチキレはホンッと酷かった…
ある日ー森の中ー大妖精にー出会ったー
松のような鈍器を拾わなただ松
まぜまぜ合成ぐるぐる生成
上位きてたよねー出前一丁ハァハァ
帽子っていう下着作る人はいるかな？
もっと上位！はようはよう！

まだまだ森の中

「ゲホッ、ケフッ、えーっちゅん！」

森の中で跳ねているのは、鮫です。
楽しくて仕方なくて、アヒャヒャ！アーヒャ！となっているわけではありません。
いつもはサメい色をした鮫肌が、ちょっぴり赤くなっています。
真っ黒なおめめはウルウル、パックリ開く口は、はわわぁと震えていました。

「ああー…アックス！」
「旦那、どうなすって」
「か、からだがサムくて、あたまボーッてしテクマクマヤコン！」

すぽぽすぱぱん！

「ぎぃやああぁっ？！」
「さみゃ、ズズズ、ごめん…」

前回は地面にはりついたうにですが、今回はツバが貫通したうにでした。
分厚いワニ皮をプッツリプルンと貫いたツバは、周りの木々すら倒しています。
これは余のメラじゃ。と言っても差し支えは無いでしょう。
…燃えてませんが。

「さみゃー、アナからケシキがみえる！」

いやん、ドキドキするほど丸見えです。
見ちゃらめぇ///なのです。

「バカのいちねん、ワニをもとおすだな…」
「ア゛ァ゛、痛ェ…！ことわざですかい？ば、バカじゃねぇでしょうよ。
か…風邪のツバ「へえっちょ！ぷっちょ！え、なに？」

鮫は鼻水をタルルンとプラつかせます。
問題なのは、この鮫のどこに鼻があるかです。

「さみゃあぁ…」
「一体、どこで貰っちまったんで？」
「PLから…」
「ハァ？」
「これかいてるとき、カゼひいててん」
「二月の二十一日ですぜ！」
「いつも、フトンなかでかいてるからなー」

ぶっちゃけた話、早めの花粉症かと思ってました。
いつも三月入ってからなので。

「さめたは、それをタイゲンしてるわけよ」
「薬なんざありませんぜ」
「いまなおす！」

鮫はどでかい水槽を口から出すと、どこからかポンプを持って来ました。
ポンプの先を水槽へ投げ入れ、ぱっちりとスイッチを押します。
すると、ポンプはブィンブィン音を立て、水を吐き出すではありませんか。
うにはビックリして、ポンプの先を眺めました。

(どっからひいてンのかなぁ…)
「はちぶんめまでかな！ケホッ」
「わにゃ、入るんですかい」

鮫が世界観を無視しているのは、もはや業界では周知のスケです。
どの業界かは知りませんが、多分そこら辺に石を投げれば当たるでしょう。

水槽に水を溜めた鮫は、ドポンと入水しました。
泡と共にスイスイと泳ぎ、フラフラと水底に落ち着きます。
ふわあと眠そうに欠伸をすれば、口から泡の粒がこぼれていくのです。
うにがそれを眺めていると、どこからか声がしました。

「別のスイッチがあるから、おしといて！」

うには辺りを見渡しますが、言葉を喋りそうな生物はいません。
もちろん、何故動いているか分からない物体もです。
遠くで雀がのし歩いているように思えました。

「うにー！さめたの話、聞いてるかーっ！」
「わ、わにゃっ！」

喋っていたのは、鮫でした。
いつもの舌ったらずはどこへやら、聞き取りやすい発音をしています。
うには急いでスイッチを入れて、また水槽を眺めました。
水を出していたポンプから、今度は泡がボンボコ出てきます。
鮫は全身の力を抜き、その泡にくるくる回されて、水槽内をプカプカ行き来していました。
ところどころで、ガラスに頭をぶつけているのは仕様です。

「あー、んー、癒されるるる〜」
「旦那、よく水中で喋れますねぇ」
「空中と水中じゃ、舌のまわりかたが違うからなー！
さめたくらいになれば、水中で喋っても、外に聞こえるわけよ…」
(ずっと水にいりゃあ、聞き取りやすいのになァ)

五分ほど気泡にゴパゴパ洗濯されると、鮫は勢いよく外へ飛び出しました。
このジャンプ方法は、南アフリカ海域で狩りをするホオジロ鮫達から主に学びました。
彼等は海底がえぐれた深みからアザラシを狙う事が多いため、
普通のホオジロ鮫よりも、体色の明暗が白黒ハッキリしています。
シャチなんかメじゃねーほどです。真っ白なお腹は、色気を感じるくらいです。

「どーん！」
「ぽげあー！！」

そんな説明をしている間に、鮫がうにの顔にめり込んでいました。
高く跳んだ鮫は、そのまま弧を画いてロケット頭突きです。十万ボルト的な感じです。
うには完全に顔面がペコッてしまいました。

「何がやりたかったんですかい…？」
「みねうちじゃい！じゃーい、じゃい！」

みねなんて、無かったんです。
前がみえねぇ状態のうにですが、生きてる辺りを考えると、ギャグ補正でしょうか。
顔を元に戻そうと四苦八苦する姿は、誰もが犠牲者だという甘い言葉をブチ砕いてくれます。
そんなうにを放置して、鮫は体をプルルとバイブレーションさせます。
体の表面についた水分がGOODな感じにSTAYして、NATURALなSKINです。
英語力の底が知れてしまいます。

「あとはタイナイケアだな」

鮫はブルッと大きく身震いしました。
目をつむり、口を開けるだけクパると、この世のモノとは思えない声を上げました。
表現するよりは、皆さんで想像してもらったほうが正確かもしれません。

「コノヨノモノデハナイコエエエエ！！」
「鼓膜がっ！さけ、裂けちまう！」

※セリフはイメージです。

いつの間にか顔が戻っていたうにでしたが、今度は鼓膜が腹パンの勢いで死にます。
まさに踏んだり蹴ったり、揉んでミザリーです。
スティーブン・キングのミザリーもおすすめしておきます。
鉄板だと思います。

ごぱっ。

さて、何の音でしょう。

1：うにが吐血した時の効果音
2：うにが血を吐いた時のエフェクト
3：うには吐きます時に血を音の効果を

正解はCMの後です。

CMが終わりました。
本当にCMが入るとは予想しなかったですって？私もです。
では、正解の発表に移りたいと思います。

答：鮫が体内の水をガラガラーペッした音

外した方々はボッシュートです。
金の鮫汰君が焼却炉に向かって落とされます。
いやあ、残念でした。ホントに残念です。
貴方のキャラクター宣言にsakujoと入るペナルティがあると、怖いですね。

画面前の方が和やかな殺意を覚えたところで、カメラをアンジニティに戻します。

鮫がウガイ代わりに吐き出した水は、森の木々を波動で消したような跡を残しました。
一部だけ、キレイさっぱりです。環境とか考えてないウガイです。
イソジンを洗面台にこぼして、あわわしてる程度ではベイビーなのです。
ただいまの後は、がらがらじんじん。空耳すると、ガマガマ新人って聞こえます。
ささいな問題を上げれば、歌詞をちゃんと知らないという事でしょうか。

「森の向こうまで見えちまってら…」

うには白目をズルりと剥き出しにしています。
それもそのはず。流されていった中に、野苺ちゃんや野薔薇ちゃんもいたのですから。
悲鳴と断末魔を残して、よだれ混じりのウガイは鮫を健康へと導いたのです。
理不尽な濁流によって押し流された生物は、のちに寒気とくしゃみを覚えました。

「スーパーすっきり…！」

ぺかーん。きらーん。
風邪のウィルスを強制排出した鮫は、つやつやと健康そのものに。
盛大に吐き出したのですから、爽快感は当たり前なのでしょう。
迷惑千万ですが、悪気はないので何も問題は無いのです。

たぶんエロ光線か何かです。

「すごい鉄砲水でしたねえ！大丈夫でしたか？鮫汰ちゃん」

タイミング良く現れたのは、マネージャーさんでした。
元凶は目の前の魚類なのに、気づかない鈍感さを持ち合わせています。
けれど、パンツに関しては敏感です。

「あ、マネジャさんかー。そろそろおじかん？」
「ですね。ちょっと移動して、ささっと着替えてしまいましょう！」
「えっとー、ビターチョコをかぶるんだっけ？」
「身売りフォンデュはしませんよ？！」

相変わらず、バレンタインのタの字も無い会話をしていました。
歩きながらですが、マネージャーさんは紙袋をパンパン叩きます。

「そうだ、鮫汰ちゃん。私、新しいパンツを見つけてきまして…」
「ボディペイントくらい、あたらしい？」
「いえいえ、そんなアウトラインは踏んでません！
ふふふ、考えたら単純な話なのですよ」

がさがさ言わせた紙袋から現れたのは、長方形の薄い板でした。
流石の鮫も、ちょっと反応に困ります。
一体、この板で何をどうしたら良いのでしょうか。

「なーに、それ」
「液晶フレームを使用したモザイクパンツです」
「わけわかめ！」
「つまりですね、パンツが無理ならば、パンツをはいてるように見せれば良いんです！」

本末転倒でした。
マネージャーさんは疲れているのかもしれません。

「この液晶フレームパンツをつければ、部位に合わせたパンツ画像が現れます。
パンツをはいてるように見えるわけです！」
「どうやってつけるの？」
「紐で巻いて、固定する感じですね」
「うしろはマルみえかー。まえばりとかわらないな！」
「…ハッ」

マネージャーさんに衝撃が走ります。
ニュータイプの閃きに近い衝撃ですが、何かを察知したとかはありません。

「しまった、前貼りと変わらない…！
ましてや、よくよく考えたら紐は尾っぽにも触る…！」
「あ、じゃあヤダー。ヒトガタだと、くすぐったくなるし！」
「うわわー！徹夜した苦労を自分で壊してしまいました…！」

自作だったようです。
パンツの概念を捨てようとして、大事なものも破棄してしまったようです。

「うう…パンツ…」
「はかないね」
「無駄に上手いこと言って…」
「でもパンツはかないからね！」
「はいてくださいよー！」

KT2 バレンタインイベント！
他のメンバー参照で、しっかりお楽しみください！
鮫汰はビターで参加してるらしいです！絵間に合うのか！